コラーゲンペプチドに関する研究|ウェルネスフード・ワールド第93回

こんにちは。梅雨のじめじめした天気が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回のウェルネスフード・ワールドでは、コラーゲンペプチドについて取り上げたいと思います。

【コラーゲンペプチド】

皆さんご存知の事かと思いますが、「コラーゲンペプチド」は、コラーゲンを加熱し抽出・分解した「ゼラチン」から、さらに細かく酵素分解したものを指します。コラーゲンやゼラチンよりも分子量が小さいので水に溶けやすく、体への消化吸収も早いため食品や化粧品素材などに使用されています。コラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチドはそれぞれ分子の大きさは違いますが、たんぱく質としてのアミノ酸の組成は同じです。全体の3分の1をグリシンが占め、プロリン、アラニン、ヒドロキプロリンなどが含まれます。

【コラーゲンペプチド市場】

米国の調査会社The Insight Partners社は、世界のコラーゲンペプチドの市場規模は、2020年の10億2,222万ドル(予測値)から、2027年には21億2,994万ドルの2倍に伸長する見込みだと発表しています。同社によれば、この背景には、「米国、カナダ、ドイツ、フランス、イタリア、英国など先進国の消費者は、オンライン情報への豊富なアクセスにより、健康志向が高まっている。健康への意識の高まりと所得の増加が需要を推進すると考えられる。これらの国の高齢化した人口が消費の基盤を形成する。」などの要因があると推測しています。コラーゲン及びコラーゲンペプチドは、皮膚の弾力を保つことや、関節の痛みを緩和するなどの機能をもつため、加齢による肌の老化や関節の健康を気にする消費者にとって重要な成分であるようです。

日本国内に関しては、日本ゼラチン・コラーゲン工業組合が昨年6月に同工業組合に加盟している14社の2019年度のコラーゲンペプチドの食用の販売量は、5,072tと過去最高を更新した事を発表しています。COVID-19の影響もありましたが、前年4,962tと比較して2.2%増えているようです。

【コラーゲンペプチドに関する研究】

今後市場規模の拡大が予測されるコラーゲンペプチドですが、肌や関節以外にも様々な体の部位への有効性に関する研究が進められています。

森永製菓株式会社のコラーゲンペプチドによる爪の水分量や丈夫さに及ぼす効果に関する研究では、31~51歳の爪が割れやすい、二枚爪になりやすいなどの悩みをもつ健常な女性20名に、コラーゲンペプチドを5,000mg含む粉末を12週間連続して摂取してもらう試験を行いました。試験では、爪の水分量、硬度に加え、角質の細胞間脂質成分で皮膚のバリア機能を正常に保つために重要な成分であるスフィンゴシンとセラミド量を合わせて測定しました。

その結果、コラーゲンペプチド群の爪の水分量はプラセボ群と比較して有意に増加し、爪の硬度もプラセボ群と比較して有意に低値になりました。さらに、爪中のスフィンゴシンおよびセラミドの変化量は、プラセボ群に比べ、コラーゲンペプチド群で有意に増加していたとの事です。

また、同社では骨代謝への効果も研究されています。40~79歳の骨の健康が気になる健常な男女21名に、コラーゲンペプチドを10,000mg含む飲料を12週間連続して摂取してもらい、骨吸収マーカーや骨形成マーカーを測定し、摂取前後の変化を評価したところ、形成マーカーの一つであるBAPにおいて、コラーゲンペプチド群は、プラセボ群と比べて有意に変化(改善)したという結果が確認されています。

【コラーゲンと免疫】

COVID-19の流行により重視されるようになった免疫機能ですが、コラーゲンによる免疫機能賦活作用に関する試験で有効性が確認されています。

 コラーゲンペプチドやゼラチンを製造・供給している株式会社ニッピが発表した論文“Supplemental ingestion of collagen peptide improves T-cell-related human immune status –Placebo-controlled double-blind study– Jpn Pharmacol Ther 43, 51-56 (2015)”では、日頃から疲れやすいと感じている30歳代から50歳代の日本人男女を対象に、1日10gのプラセボ(デキストリン)またはコラーゲンペプチドを8週間摂取し、免疫機能を評価するランダム化プラセボ対照二重盲検群間比較試験を実施しました。

実験では、末梢血の免疫細胞数(好中球、リンパ球、T細胞、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、CD4/CD8 T細胞比、ナイーブT細胞、メモリーT細胞、ナイーブ/メモリーT細胞比、CD8+CD28+ T細胞、B細胞、NK細胞)を測定し、7項目(T細胞、CD4/CD8T細胞比、ナイーブT細胞、ナイーブ/メモリーT細胞比、CD8+CD28+ T細胞、B細胞、NK細胞)の数値を健常人のデータベースと照合して「1:要改善圏、2:要注意圏、3:安全圏」の3段階にスコア化しました。これを「免疫力スコア」とし、個人の免疫機能の総合的な指標としました。また、免疫力スコアを健常人のデータベースと照合し、5段階の「免疫力グレード」(I:危険圏、II:要注意圏、III:要観察圏、IV:安全圏、V:充分高い)を設定しました。

8週間の摂取後、プラセボ群では4個の測定項目(リンパ球数、CD8+ T細胞数、ナイーブ/メモリーT細胞比、B細胞)でプラセボ効果などによる有意な変化がみられたのに対し、コラーゲンペプチド群では上記の4項目以外にもT細胞数、メモリーT細胞数、CD8+CD28+ T細胞数、NK細胞数が有意に増加している事がわかりました。

また、「下痢気味である」と「食欲がない」という自覚症状が改善されました。

群間差比較においても、コラーゲンペプチド群(16.2±1.6)の免疫力スコアはプラセボ群(15.6±1.8)よりも有意に(P = 0.030)上昇しており、コラーゲンペプチドの摂取により免疫機能が改善されたことが示唆されました。

免疫力グレードについては、摂取前は両群の要注意圏と要観察圏の割合に差はありませんでしたが、8週間の摂取後には、プラセボ群と比較してコラーゲンペプチド群で要注意圏が減少し、安全圏が増加していました。
コラーゲンペプチドを摂取することで、免疫力が賦活され自覚症状も改善することが示唆されています。


今後は、コラーゲンで免疫をサポートする商品も登場していくのでしょうか。
コラーゲンでどのような訴求の商品が登場するか、チェックしていきたいと思います。

【参照 】

森永製菓株式会社: https://www.morinaga.co.jp/company/healthcare/collagen.html

Food Navigator-usa:  https://www.foodnavigator-usa.com/Article/2020/06/30/Collagen-gains-popularity-in-functional-foods-especially-bars-sports-nutrition-beverage-powders

株式会社ニッピ https://www.nippi-inc.co.jp/biomatrix/tabid/172/Default.aspx?itemid=306

https://www.this.ne.jp/news/6083/ 

https://www.kenko-media.com/health_idst/archives/14103 

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