感染症対策に、免疫力向上への関心
こんにちは、GNGの和泉です。
今号のNew Nutrition Business5月号では、免疫、そしてプラントベースについて大きく取り上げられています。
エルダーベリーとは
長引くCOVID-19の影響で世界的に免疫向上への関心が高まっており、この波はしばらく続きそうです。
論説1に掲載されているGoogle検索件数の伸び率が高いエルダーベリーですが、北米や欧州を原産地とする低木の果実で、日本では西洋ニワトコとも呼ばれています。
日本ではそれほどメジャーではありませんが、欧米諸国では古くから民間療法で使用されてきた人気のハーブです。
果実はビタミンC、A、ポリフェノールなどを含み、特にビタミンCの含有量が高いことから、米国Whole Foods Marketなどのオーガニック系スーパーやドラッグストアの「ハーブ系サプリ 風邪・インフルエンザ対策コーナー」では、多くのエルダーベリーのサプリメントが並んでいます。
はっきりとした科学的根拠はないものの、その抗酸化作用を期待してCOVID-19禍でも非常に注目されているようです。
プラントベース食においても、このパンデミックでヘルシーな食生活を心掛けようとする消費者がさらに増加し、この先ますます注目されることが容易に予測出来ます。
バナナブレッドが流行!
そんな中、バナナブレッド流行についての記事がありました。
ヘルシーな食生活とは真逆のトレンドですが、IFOP(フランス世論研究所)がフランス国民3,000人に調査したところ、外出禁止令が出された3月17日から7週間で調査対象者の57%が体重増加、平均2.5kg太ったとのことでした。
永遠の課題ともいえる「健康な食生活」とストレス緩和のための「甘くて炭水化物たっぷりのほっとする食品」、この2つの共存がこの先さらに重要になりそうですね。
いつも通り食べること
そして最近始まった冷蔵庫ストーリーですが、今回は高齢者ご夫婦の家の冷蔵庫を取材しています。ワインを大変よく飲まれるご夫婦のようです。異国の他人の家の冷蔵庫をのぞき見している気分で、個人的に楽しみにしている記事でもあります。
皆様が面白いと思った記事は何でしょうか?それぞれの視点で楽しんでいただけると幸いです。
(株)グローバルニュートリショングループ 和泉 美弥子
この記事について
GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。
毎月、最新情報を「定点観測」することで、ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を素早くつかむことができます。
本日配信したNNBマガジンでは、チキンブロスからキウイ、プロバイオティクスまで 免疫力が再び我々のレーダーに、バナナブレッドはCOVID-19禍で安心感を与える炭水化物などを取り上げています。
この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
■NNB(New Nutrition Business)5月号 トピックス
今回、会員向けに日本語要約してお届けしたNNBの話題は以下の通りです:
●チキンブロスからキウイ、プロバイオティクスまで 免疫力が再び我々のレーダーに
●バナナブレッドはCOVID-19禍で安心感を与える炭水化物
●ココナッツデザートの「破壊者」の控えめな利益
●乳製品メーカーがプラントミルク市場のリーダーに
●ポテトミルクはCOVID-19の危機を生き延びるか?
●プラントベースのリスクと報酬
●ロックダウンの最中 アルカリ水ブランドのオンライン販売が急騰
●Green Giantの親会社は便利な野菜の成功への投資を増加する
●プラントベースのトレンド、コリンの必要性にスポットを当てる
●植物を越える:菌由来プロテインの可能性
●サステナビリティの基準はプラントベースが成功するカギ
●サイエンスを伝える:事実とフィクションを整理するという困難な課題
●COVID-19が流行する最中に「いつも通り食べる」ことで安らぐ高齢者夫妻
グローバルニュートリション研究会の会員企業の皆様は、会員ページで最新記事から過去10数年分のバックナンバーまですべての記事を読むことができます。
[今号のハイライト]
チキンブロスからキウイ、プロバイオティクスまで 免疫力が再び我々のレーダーに
人々は今後、「ヘルシーな食生活」の意味について、また感染から身を守る方法について、今よりも考えるようになるだろう。とはいえ、全員が同じ結論を下すと考えるべきではない。消費者の信念は細分化しており、今後もそれは続くだろう。
最適なターゲットは?
免疫力のベネフィットを訴求する食品、飲料、サプリメントのターゲットは、少なくとも最初は、60歳以上の消費者と小さい子供を持つ親世代だろう。注目に値するのは、「身体の自然防御力をサポートする」というキャッチフレーズで販売され、1995-2010年に成功を収めたDanone社の飲料Actimelは、圧倒的に60歳以上の消費者によって支持されたことである。
「食薬同源」発想のアジア
アジアにおいては、免疫力は消費者の関心事として長くトップ10の座にあり、消費者は免疫力をサポートする食品を意識的に選択してきた。
対して欧州では、健康維持においては多くの人が薬剤に頼るか、または社会的セーフティーネットの恩恵を受けてきた。
またアジアでは、欧州の消費者と比べ、ウイルス性呼吸器疾患の大流行を受け、免疫力保持に対する関心が研ぎ澄まされている。
成功した食品とは
アジアにおいて、免疫力増強という消費者のモチベーションは、多くの商品の成功要因である。
チキンブロス(チキンエキス)やキウイフルーツ(ZespriのビタミンC豊富な果物)等。
免疫に対する消費者の関心と調和しているYakult
日本で1955年に創業したYakultは、L. casei Shirota株を使用した主力商品であるプロバイオティック発酵乳を、38か国において毎日39百万本以上販売している。Yakult飲料の年間小売額は、控えめに見積もっても55億ドルを超える。Yakultの取引高の70%をアジアが占めることからも、同社が今回のパンデミックに素早く対応したのも不思議ではない。
今後の勝敗はどうなるのか?
腸のウェルネスのための食品
常に消費者の個人レーダー上で高位置を占める消化関連商品であるが、消費者が「免疫システムを支える細胞の70%は腸内に存在していること」、「 腸を健康に保つことが健全な免疫システムを支えることであるということ」を学び、さらに伸びるだろう。
プラントベース
2020年3月の時点で、Instagamやその他のソーシャルメディアにおけるプラントベースに関する関心は急上昇している。このことからも、果物や野菜が既に持っているポジティブなイメージは、今後もベネフィットを得続けるだろう。
糖質
大きな損失を被るのは糖質だろう。COVID-19の影響により、食生活や商品に対して人々が低糖質を求めるトレンドは加速するかもしれない。
(会員向けニューズレター「NNBマガジン2020年5月号」日本語要約版より抜粋)
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和泉 美弥子
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