プラントベースの肉代替品、乳代替品の売上が落ち込む:Spinsデータ、ほか|GNGグローバルニュース2025年6月11日号





こんにちは、GNG武田です。

プラントベース代替品の不振に関するニュースが2年ほど前から急増していますが、その内容に変化が出てきているようです。

プラントベース肉代替品、プラントベース乳代替品市場においては、相変わらず明るいニュースは聞こえてきません。
Spins社の調査結果でも、プラントベース肉代替品は冷凍、冷蔵共に売上金額、数量ともに落ち込みが続いています。
また、プラントベース乳代替品も肉代替品ほどの打撃は受けていないものの、ココナッツミルクを除き、冷蔵、常温ともに低迷しています。

一方、卵代替品市場は、鶏卵価格の高騰の影響を受け市場が活発化しているようです。
卵は肉、魚介よりも食感の影響が大きく、卵白、卵黄と異なる食感とそのバランスが求められ、開発に時間が掛かります。
2022年のExpo Westから代替卵の新製品が目立ちましたが、それらが日の目を見ているようです。

代替プロテイン事業に関するご相談も増えていますが、シーズのポートフォリオが大切であることをお伝えしています。
今現在、海外のプラントベース代替品市場には逆風が吹いていますが、いずれ、プロテインクライシスが起こり、アニマルベースの価格が高騰します。
その時に備えておくことが重要ですが、それまでどのように事業を維持・推進させるのか、が避けることのできない課題になります。
複数のシーズを保有している場合は、ポートフォリオ戦略、最適化が問われます。
短期的な目標ではなく、中長期的な戦略が求められます。

去年1年間に生まれた日本人の子どもの数は68万6000人余りと、前年より4万1000人余り減少し、統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回ったことが厚生労働省の調査で分かりました。
既定路線である人口減少が確実に進んでいます。
人口減少は国内マーケットのシュリンクにも繋がります。
海外マーケットへの進出は重要な施策となります。
キリンホールディングスさん、サントリーウエルネスさんの海外での取り組みについて海外メディアが取り上げていました。

武田 猛

この記事について

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■GNGグローバルニュース 2025年6月11日号 トピックス

Market News
●プラントベースの肉代替品、乳代替品の売上が落ち込む:Spinsデータ
●植物由来商品の成長を後押しするSNSの役割
●鶏卵の価格高騰で代替卵市場が活発化
●力強いコラーゲントレンドでコラーゲン市場が急成長
●MAHAレポートの課題をサプリメント業界は「機会」と捉え前向きに反応
●サプリメント企業は不況を乗り切れるか?

Products & technology News
●NiHTEK社、ビーガン向けたんぱく質「NiHPRO」を販売
●TurtleTree社、精密発酵ラクトフェリンでFDAから商用化の認可を獲得

Science News
●漢方薬を改良した配合剤にアンチエイジング効果が見込まれる
●微細藻類エキスは認知機能改善に有効である可能性
●クレアチン+GAAはeスポーツのパフォーマンスを向上する可能性
●Vitafoods 2025で見えたトレンド予測

Company News
●Lallemand Health Solutions社とキリンホールディングス株式会社、IMMUSEの販売契約を発表
●サントリーウエルネス社、ミールリプレイスメントをタイ、シンガポールで販売
●GLP-1ユーザーは栄養が不足している:GNCデータ


Regulatory News
●Danone社に続きNestlé社がニュートリスコアを廃止
●FDAのcGMP査察を補完する第三者監査制度の導入を提案
●GLP-1サプリメント表示に対する規制当局の沈黙と業界の課題

[今号のハイライト]プラントベースの肉代替品、乳代替品の売上が落ち込む:Spinsデータ|GNGグローバルニュース2025年6月11日号

[2025/5/16][foodnavigator-usa.com]

プラントベースの肉代替品や乳代替品の売上高と販売量の急激な減少が、調査会社Spins社の調査で判明した。
同社データによると、市場規模7億8,230万ドルの冷凍プラントベース肉代替品の売上は、4月20日までで5.3%、販売量が7.8%下落、また、3億4,970万ドルの規模を誇っていた冷蔵プラントベース肉代替品も、売上が12.1%、販売量は14.4%落ち込んでいる。最も大きく減少したのは冷蔵プラントベースバーガーで、売上が26%、販売量は34.2%も減った。また、冷蔵ソーセージは売上、販売量がそれぞれ16.8%、19.6%、冷蔵ミートボールも21.3%、24.8%減を見せた。ただ、冷蔵ナゲット、カツレツ部門は売上、販売量とも、それぞれ8.3%、3.8%の伸びを見せている。その販売量を上回る成長を示したのがセイタン(グルテンミート)で、4.2%増を示した。プラントベース肉代替品の需要低迷で、スタートアップ企業は資金調達に苦労し、また、Beyond Meat社などの大手も苦戦している。Beyond Meat社はこのほど、純売上高が前年同期比9.1%減となったことを発表した。
また、菌糸体企業、Meati社は、経営権を弁護士に譲渡し、最終的に400万ドルで売却する。さらに、複数の企業がプラントベース肉代替品から撤退しており、Unilever社は3月、プラントミートブランド「Vegetarian Butcher」をVivera社に売り渡し、プラントベース肉代替品に新しく参入したBlackbird Foods社もAhimsa Companies社に売却された。プラントベース乳代替品も、肉代替品ほどの打撃は受けなかったが、冷蔵、常温保存可能タイプで減少している。冷蔵ミルクは売上4.1%、販売量4.5%低下、常温保存可能ミルクもそれぞれ、2.9%、4.7%落ち込んだ。ただココナッツミルクは、冷蔵タイプでそれぞれ15.6%、12.4%、常温保存タイプでは28.2%、33.2%増加している。また、冷蔵豆乳が2.7%、0.7%と、わずかだが増えている。
プラントミルクブランドは、この状況を跳ね返そうと、最新商品を紹介しており、例えば、新規参入のWhole Moon社は、Natural Products Expo Westでホールココナッツと豆乳飲料を発表、乳代替品ブランドの「Milkish」は、Fancy Food ShowとExpo Westでスイカの種を使ったミルクを披露している。プラントチーズも苦戦しており、冷蔵スライスチーズとスナックチーズが11.2%、9.9%とそれぞれ減少、その一方で動物性のチーズは両タイプで0.6%、1%増加しているという。ただ、プラントチーズ業界は、味と食感の再現に精力を傾けており、長谷川香料株式会社の米子会社、T. Hasegawa社は、乳製品のクリーミーな口当たりが味わえるフレーバー「Plantreact」を、プラントミートや乳製品向けに開発、販売した。

 (会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2025年6月11日号」より抜粋)

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18年間の実務経験と21年間のコンサル経験を積み、39年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外800以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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