こんにちは、GNG武田です。
先月、食用コオロギの生産や商品開発を手がける徳島市のベンチャー企業「グリラス」が自己破産を申請しました。
徳島県の高校の給食に、コオロギパウダー入りのコロッケを出したことがSNSで批判され、業績が悪化したことが原因とのことですが、なんとも残念なことです。
正しく情報が伝わらないことで、食の未来の可能性が一つ閉ざされました。
昆虫たんぱく質への心理的な障壁は、日本でも大きいようです。
海外でも昆虫たんぱく質への逆風はあるようで、特許の申請件数が減少しているという記事を取り上げました。
欧米では未だ昆虫たんぱく質は受け入れられていないようですが、韓国では2022年の昆虫たんぱく質に関する特許申請件数が100件を超えたようです。
その韓国ですが、蜂産品の人気が高く、ソウルで開催された展示会や市内の店舗を視察した時にも、その人気の高さが分かりました。
日本では認知機能訴求のプロポリスの機能性表示食品がありますが、韓国でもプロポリスの認知機能に対する研究プロジェクトが始まったようです。
レギュレーション関係の記事では、CODEXのプロバイオティクスの定義の明確化、EUヘルスクレームにおけるプレバイオティクスの用語使用、EUノベルフードの現状の課題についての記事を取り上げています。
武田 猛
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
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■GNGグローバルニュース 2024年12月10日号 トピックス
Market News
●テクノロジーを活用して生産した代替肉を消費者にアピールを
●コラーゲン補給に注目する若年層
●2025年におけるフードテックのトレンドを推察する
Products & technology News
●睡眠サポート食品・飲料に関心が殺到:米市場
●中国企業は伝統的な食材を活用し、独自のビジネスにフォーカス
●昆虫たんぱく質 特許申請の減少で衰退
●Seoul Propolis社、プロポリスの認知健康に対する有効性の検証へ
Science News
●卵と初乳の組み合わせでGLP-1ユーザーをサポート
●微量栄養素はAMDを改善する可能性
●女性の健康理解を深めるため、臨床研究への女性参加数増大を訴える
Regulatory News
●コーデックス委員会、プロバイオティクスの定義の明確化を求めるIPA提案を棚上げ
●欧州のノベルフード許可システムに対する洞察
●プレバイオティクスが欧州で許可を得るためのロードマップ
[今号のハイライト]
昆虫たんぱく質 特許申請の減少で衰退、ほか|GNGグローバルニュース2024年12月10日号
[2024/11/15] [nutraingredients.com]
昆虫たんぱく質は急成長が予想されていたが、市場のイノベーションが行き詰まり世界の特許申請が減少する中、期待ほどの成長は見られていない。
昆虫たんぱく質の新製品の特許は、今年、世界全体で1.5%減少し251件となった。前期の293件から13%減少したのに比べると、ほぼ横ばいとなっている。Inside Green Innovation進捗報告書によると、減少の原因は、欧米で食生活への受け入れが遅れていることと、イノベーションと研究開発が停滞していることにある。
昆虫由来のたんぱく質を食生活に取り入れることに関して、一部の地域では抵抗感を持つ消費者もいる。しかし昆虫たんぱく質は、サステナブルでない資源の代わりに、昆虫や昆虫由来の資源を動物飼料に入れることで、畜産業のカーボンフットプリントを削減することができる。
Inside Green Innovation進捗報告書によると、昆虫由来の製品は農業分野でさらに成長する余地があり、肥料用の昆虫廃棄物(糞)のイノベーションでは特許申請が過去最高を記録している。
欧米ではまだ昆虫タンパク質が受け入れられていない一方で、韓国では代替肉への関心の高まりに後押しされて、昆虫タンパク質の製品が受け入れられつつある。韓国では2022年に昆虫たんぱく質に関する特許102件が申請された。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2024年12月10日号」より抜粋)
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