こんにちは、GNG武田です。
NNB5月号日本語要約版をお送りします。
今号のNNBでは、「キノコグラノーラ」の事例が取り上げられていました。ヤマブシタケを添加したグラノーラで、認知機能向上を訴求しています。
日本でヤマブシタケが話題になったのは今から約25年ほど前でしょうか。
当時私は前職で素材探索の仕事をしていましたが、当時はアガリクスの人気が高まっている真っ最中で、各種キノコ素材が注目されていました。但し、対象は免疫賦活=がん対応、というなかなか難しい分野でもありました。
その時、ヤマブシタケの情報にも触れることがありました。
しかし、2006年に、いわゆる「アガリクス・ショック」があり、アガリクス市場は事実上消滅、他のキノコ製品も大きな影響を受けました。
一方、米国では数年前からキノコの人気が高まっています。2017年のNatural Products Expo Westでは、キノコを原料としたサプリメントが目立ち始めていました。
植物系サプリメントを展開するgaia社のブレインヘルスサプリメントの構造機能表示は「記憶と認知機能をサポートする」でした。ヤマブシタケで神経系のシステムのサポート、レイシとゴツコラで脳の血流改善を訴求していました。
2019年のExpo Westでは、キノコのチップス、ジャーキーなどのスナックやお茶への展開が目立ちました。
そして、今年のExpo Westでは、もはやキノコは主役級の存在感がありました。
サプリメントでは、免疫、認知機能サポート、スナックはどちらかというとスーパーフード的な位置付けが多かったと思います。
一方、アダプトゲンという言葉もチラホラ見られました。
オーツ麦やナッツとヤマブシタケの組み合わせで認知機能を訴求するグラノーラ、出足は好調のようです。
成功が難しいと言われているムード&マインド分野で、継続的な成長が見込めるのか、今後が楽しみです。
その他、欧州の栄養素プロファイルモデルであるNutri-Scoreに対する問題提起や、Neste社が「ミールリプレイスメント」ブランドを積極的に買収している事例など、興味深い事例が満載です。
お楽しみください。
(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛
この記事について
GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。
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この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
■NNB(New Nutrition Business)5月号 トピックス
今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:
●「植物を便利に」は複合的な成功トレンドとのつながりを生む
●公衆衛生の専門家が及ぼす害とは?
●サバイバルモードに転換する肉代替品メーカー
●欠陥だらけ?Nutri-Scoreが失敗する10の要因
●マカダミアは「良い脂肪」市場のニッチに食い込む
●Beyond keto:セイボリースナックバーブランドがマスマーケットを狙う
●キノコグラノーラ:カリっとした食感で認知機能を高める?
●プラントベース食の普及が進む中、Pret A MangerがVeggie店舗を削減
●グローバル飲料大手が新原料事業の確立を目指す
●地球を救うことは衛生要因になりつつある?
●Nestlé 社がミールリプレイスメント市場に参入
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[今号のハイライト]
「植物を便利に」は複合的な成功トレンドとのつながりを生む
マカダミアのマーケターとプラントベーススナックの起業家らは共に、消費者に分かりやすい植物性製品(ナッツ、野菜、スパイス等)を提供することの価値と、植物がいかに効果的に主要な消費者成長トレンドおよびメガトレンドの両方とブランドを結び付けられるかを示している。彼らは2つの大きなテーマを解説している
(会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2023年5月号」日本語要約版より抜粋)
【NNB(New Nutrition Business)】とは
「NNB(New Nutrition Business)」とは、食品・栄養・健康の分野で読者の75%が企業の経営トップである、英国発信の業界専門誌です。
ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を、日本語の要約付きでお届けしています(月1回、11月&12月は「10キートレンド」として合併号を発行)。
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