こんにちは、GNG武田です。
New Nutrition Business 10月号日本語要約版をお送りします。
今号のケーススタディに取り上げられていますGood Wheatは、とても魅力的な商品だと思いました。新種の高アミロース小麦を品種改良で開発し、その小麦を用いたパスタブランドです。1食あたり食物繊維8g、たんぱく質9gのパスタで、味も食感も通常のパスタと同じとのことですから、通常の食事を置き換えるだけで手軽に「良い炭水化物」と「たんぱく質」を摂ることができます。(注:アミロースを食物繊維とした場合)
また、FDAのルールでは、精製した小麦粉を使っても「食物繊維が豊富」という表示が可能です。精製小麦でも全粒小麦でも魅力的な商品が作れそうです。
現在はコストが課題のようですが、いずれ解決すると思います。麵好きの私には、とても魅力的です。
さて、大変お待たせしました。
1日(火)に、“10 Key Trends in Food, Nutrition & Health 2023”が発刊されました。今年も大ボリュームの164ページの大作となっています。
“10 Key Trends in Food, Nutrition & Health 2022”は、下記の通りでした。
Mega Trend 1: Naturally Functional
Mega Trend 2: Fragmentation of health beliefs
Mega Trend 3: Weight Wellness
Mega Trend 4: Snackification at the heart of strategy
Mega Trend 5: Sustainability
Key Trend 1: Carbs – better & fewer
Key Trend 2: Digestive Wellness diversifies
Key Trend 3: Fat fuels growth
Key Trend 4: Plants made convenient
Key Trend 5: Animal protein powers on
Key Trend 6: The plant protein paradox
Key Trend 7: Sweetness reinvented
Key Trend 8: Mood & mind
Key Trend 9: Emerging nutrient density
Key Trend 10: Provenance & authenticity
そして、”10 Key Trends in Food, Nutrition & Health 2023”は、
Mega Trend 1: Fragmentation of health beliefs
Mega Trend 2: Naturally Functional
Mega Trend 3: Weight Wellness
Mega Trend 4: Snackification at the heart of strategy
Mega Trend 5: Sustainability
Key Trend 1: Carbs – Grains with Benefits, Fewer, Greener
Key Trend 2: Digestive Wellness Diversifies
Key Trend 3: Plants Made Convenient
Key Trend 4: Animal Protein Powers On
Key Trend 5: Sweetness Reinvented
Key Trend 6: The Plant Protein Paradox
Key Trend 7: Redefining Fat
Key Trend 8: Mood & Mind
Key Trend 9: Real Food & the UPF Challenge
Key Trend 10: Provenance & authenticity
となっています。表面だけ見るとあまり変化がないようにも見えます。しかし、取り上げられている事例やそこから得られる教訓は、変化しています。
そもそも「トレンド」は「ブーム」とは異なり、中長期的なものですので、ころころ変わることはありません。しかし、大きな流れの中で常に変化が起きています。その小さな変化の兆しを見逃さず、トレンドを活かしてビジネスに役立てることが大切です。Mega Trendは、一部順位が変わっていますが、昨年と同じ顔ぶれです。このMega Trendは、この数年同じ顔ぶれが続いています。もはやこの5つは、絶対に取り入れるべきトレンドとも言えそうです。
そして、2023年版で新たに加わったのが、”Real Food & the UPF Challenge” です。
これは、今の日本にとってとてもタイムリーで、示唆の多いトレンドだと思います。特に、” Ultra-Processed Foods”(超加工食品)や、長い原材料リスト等について考えるべきことが多そうです。
また、” Mood & Mind”では、さっそくYakult 1000も「腸脳相関」の事例として取り上げられています。
一方、2022年版にはあった” nutrient density”ですが、決してトレンドとしての意味が無くなった訳ではなく、他のトレンドに包摂されています。例えば、” Protein”や”Fat”にはこの要素が含まれています。
これから、総力を挙げて日本語要約版の作成を行います。
そして、昨年は断念した「10キートレンド理解度UPセミナー」を1月中に開催する予定です。詳細が決まりましたら、ご案内をさせて頂きます。
いよいよ本日の午後、Julianの講演があります。
プレゼン資料を見ましたが、超高齢社会の日本を意識してか、「ヘルシーエイジング」に時間を割いているようです。” nutrient density” の要素も含まれています。
そしてその後、パネルディスカッションです。
あまり時間がありませんので、PFCバランス、動物・植物、ヘルスクレームについて欧米と日本の違いを踏まえて、ご聴講いただく皆様のお役に立てる話を引き出したいと思っています。
ご期待ください!
(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛
■NNB(New Nutrition Business)10月号 トピックス
今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:
●マイコプロテインは新規市場になり得るのか?
●サイエンスの商業化で成功するための5つのステップ
●小麦の新品種はパスタの健康価値を高めることができるのか?
●マンダリンオレンジのマーケターが生鮮食品ビジネスを再定義
●より大きな喜びとより少ない糖質がスタートアップ成功の原動力に
●栄養豊富な果皮をアップサイクルしたフルーツスナック
●消費者の流動的な選択がプラントミルクに新たなニッチを生み出す
●卵の新たなヘルスベネフィットの解明を目指す
●「誠実な料理」はミレニアム世代の好みに注目
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[今号のハイライト]
マイコプロテインは新規市場になり得るのか?
パイオニア企業であるQuorn 社の特許が 2010 年に切れて以来、 Unilever 社から新規ビジネスまで様々な規模の企業数社が、肉代替品としてのマイコプロテインの可能性に着目している。マイコプロテインは発酵により生成されるもので、多くの人々が現在、肉代替品市場を支配しているプラントベースバーガーよりも優れた、消費者に受け入れられやすい製品ができるかもしれないと考えている。この目標を念頭に置き、生産者らは製造規模の拡大を競っている。
(会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2022年10月号」日本語要約版より抜粋)
【NNB(New Nutrition Business)】とは
「NNB(New Nutrition Business)」とは、食品・栄養・健康の分野で読者の75%が企業の経営トップである、英国発信の業界専門誌です。
ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を、日本語の要約付きでお届けしています(月1回、11月&12月は「10キートレンド」として合併号を発行)。
NNBを日本語で読めるのは、弊社が主宰するグローバルニュートリション研究会だけ。
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*株式会社グローバルニュートリショングループは、New Nutrition Businessの日本におけるパートナー企業です。
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