【調査レポート】主要国の新規食品(Novel Foods)制度の比較調査~日本は新規食品のルールが不在~
健康食品業界に特化したコンサルティング会社である株式会社グローバルニュートリショングループ(本社:東京都豊島区西池袋5-17-11、代表取締役:武田 猛)は、紅麹問題で混乱している社会、不安を感じている消費者に対して客観的な判断に役立ててもらうために、主要国の新規食品の制度を比較、分析を行いました。その結果、主要国では食経験のない食品は市販前に当局の評価を経ているのに対し、日本には新規食品の事前審査をする制度がないことが明らかになりました。
調査の背景
紅麹問題で混乱している社会、不安を感じている消費者に対して客観的な判断に役立ててもらうために、これまで蓄積した知見を基に「機能性表示食品制度自体の問題」と、「食品全般にかかわる問題」を分けて整理・分析を実施しました。今回は、主要国では制度化されている「新規食品(Novel Foods)」について詳細を分析するとともに、本制度のない米国と日本の現状を分析しました。
主要国の新規食品(Novel Foods)制度の国際比較調査の主な結果
■新規食品(Novel Foods)は、販売前申請、許可が必要
新規食品(新規食品素材も含む)とは、食経験*のない食品又は素材のことで、新規食品の定義は各国によって様々です。新規食品は、オーストラリア・ニュージーランド、カナダ、中国、EU(欧州連合)などの国々で規制され、定義されています。これらの国々では、新規食品、新規素材、新規の食品の使い方等には、市販前申請が要求されます(別添1、2参照)。一方米国には新規食品の制度はありませんが、一般食品はGRAS確認(専門家による評価)済であること、ダイエタリーサプリメントはNDIに該当する場合は、販売の75日前までに、安全性情報をFDAに提出する必要があります(別添3参照)。
■日本には、新規食品の事前審査をする制度がない
一方、日本は食品衛生法第七条で食経験のない食品が「食品衛生上の危害の発生を防止するために必要があると認めるとき」に、厚生労働大臣が「販売することを禁止することができる」と規定されています(別添4参照)。つまり、食経験のない食品の安全性を事前に審査、評価する制度ではなく、販売後に危害の発生を防止する必要がある場合に販売を禁止するという事後対応型の制度です。
■今回の調査を通じて
多くの主要国には、食経験のない新規食品は販売前に申請、審査、許可される制度がありますが、日本にはその制度がなく、販売後に危険があると判断された場合に販売を禁止する制度となっていることが明らかになりました。これは機能性表示食品だけでなく、国が個別に評価・許可をする特別用途食品(特定保健用食品を含む)を除く食品全般にかかわる問題であり、食の安全性を確保する上で課題の一つに挙げることができます。
*食経験について明確な規定はありませんが、FDA(米国医薬品局)では、広範囲に最低25年摂取とされています。
調査の詳細
株式会社グローバルニュートリショングループが過去に調査した、米国ダイエタリーサプリメント制度を再度確認し、機能性表示食品制度ガイドライン、消費者庁が実施した検証事業の報告書等の内容と比較しました。
株式会社グローバルニュートリショングループ について
株式会社グローバルニュートリショングループは、グローバルなネットワークを有する、健康食品業界に特化したコンサルティングファームです。現在まで、海外20か国とのビジネスを経験し、国内外合わせて750件以上のプロジェクトを実施してきました。
世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」を設立、コンサルティング業務として食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発、マーケティング、海外進出などのコンサルティングを行っています。
【会社概要】
社 名: 株式会社グローバルニュートリショングループ
本社所在地: 東京都豊島区西池袋 5-17-11
代表者取締役:武田 猛
創立:2004年1月5日
HP: https://global-nutrition.co.jp/
事業内容:
・健康食品(サプリメント、機能性食品)に関するコンサルティング業務
・健康食品(サプリメント、機能性食品)の市場調査・分析
・健康食品(サプリメント、機能性食品)の新商品開発、マーケティング支援
・機能性表示食品届出サポート
・ニューズレター、レポートの販売
・海外企業の日本市場参入の支援
・日本企業の海外市場進出の支援
【報道機関からの問い合わせ先】
TEL:03-5944-9813 広報担当:鈴木、有松
e-mail:info@global-nutrition.co.jp
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