GNGニューズレター7月16日号:消費者庁、「機能性表示食品」の届出情報公開-現時点で23社55品、ほか

機能性表示食品の届出受理商品も50を超え、これから店頭に並ぶ商品や広告が増えていく事で、一段と注目が高まると思います。
一方、「トクホ」の新商品も活発になっているように思います。
そして「トクホ」の広告も、今まで以上に「トクホ」であることを強調しているものが増えています。
「トクホ」と「機能性表示食品」どちらが生き残るのか、といった議論もあるようですが、国を問わず健康食品ビジネスでの成功要因は、体感性があるか、です。
機能性表示には良い面ばかりではなく、リスクもあります。それは、表示した機能性を消費者が実感できない場合、不満が生じるということです。
顧客満足度は事前期待と事後評価のバランスの上に成立します。
機能性を打ち出した広告を通じて、消費者の事前期待は高まります。
その期待通りの効果を感じなければ消費者は裏切られた、と思うでしょう。
そして、商品と会社に不満を持ち、その不満を拡散する事も容易に想像できます。

「サービスが伝説になるとき(ダイヤモンド社)」には「不満がある人は、それを平均9~10人に話す。
13%の人は20人以上に話している。」と書かれています。
この本が書かれたのは今から20年前です。現在はネット社会となり、当時とは比較にならないくらい不満は拡がり易くなっていると思います。

サービスと食品の機能性とを一緒に論じることは無理があるかも知れませんが、参考にはなると思います。
健康食品は、使ってみないと価値が分からない経験財で有ると共に信用財でもあります。
その特性がサービスと似ている所があります。

機能性を直接訴求できる広告は、確かにレスポンス率も良くなるでしょうし、新規購入客数も増えると思います。
しかし事業構造上、リピートして頂けるかどうかが重要です。
健康食品ビジネスは、リピートが有って初めて成り立つことは、皆さんも十分ご存知の事だと思います。

機能性の評価が不十分なまま届出をしても、受理され販売する事は可能です。
しかし、一番怖いのは消費者から見放されることです。
機能性表示をすることの怖さ、もしっかりと認識した上で長期的な視点でビジネスをデザインする事が重要だと思います。

今号では、機能性表示食品制度の運用上の課題についても整理してみました。

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■GNGニューズレター 2015年7月16日号トピック
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●グリコ栄養食品、小麦アレルギー物質対応の米粉パン用ミックス粉発売
●アサヒフードアンドヘルスケア、機能性表示食品「ディアナチュラゴールド EPA&DHA」を発売
●伊藤園、特定保健用食品「充実野菜 ベジタブル&ファイバー」を発売
●雪印メグミルク、機能性表示食品「恵megumiガセリ菌SP株ヨーグルト」など発売
●J-オイルミルズ、栄養機能食品(n-3系脂肪酸)家庭用油脂製品2品を発売
●森下仁丹とメタジェン、ビフィズス菌摂取時のヒト腸内環境変動で共同研究開始
●食の安全・監視市民委員会、緊急院内集会を開催
●消費者庁、「機能性表示食品」の届出情報公開-現時点で23社55品   など

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