こんにちは、GNG武田です。
先週、米国FDA(食品医薬品局)がNDI (New Dietary Ingredient ;新規ダイエタリー原料)申請のための業界向けガイダンスを公表しました。これらは、2011年にFDAが最初のNDI通知ガイダンス草案を発行したことから始まりましたが、業界からは不評でした。
2011年のガイダンス案は以下の内容でした。
●一般食品の原料も、1994年以前にサプリメントとして使用されていなければ、新NDIの対象
●海外で使用した実績があっても対象
●私的なリスト”Old Dietary Ingredients”はGrandfathered listではない
●NDI成分であっても、製造方法、成分組成の変更、化学的変化があれば対象
●他事業者申請のNDI成分を使用する場合も対象
●対象とならないもの
–1日推奨摂取量が、受理されたNDIの量よりも同等以下の場合
–受理されたNDI成分以外の新規成分が含まれない場合
–対象者(子供、妊婦、授乳婦、など)が同じ場合
–他の使用条件(消費期限、など)が同じ場合
FDAは2016年に再度試みましたが、その内容は業界から更に好意的に受け止められませんでした。それから、FDAとUNPA(United Natural Products Alliance)を含むいくつかの業界団体との間で議論が行われ、FDAがNDIガイダンスを簡素化、明確化、合理化する方法について提案しました。
近年、FDAは食品の安全性にについて厳しくなる一方でしたので、どのような内容なのか、とても気になっています。
明日、現地時間3月13日からNatural Products Expo West 2024が開催されます。14日には、UNPAのメンバーミーティングが開催され、その中でもNDIガイダンスの話題は出ます。また、弊社のパートナー弁護士であるAmin Talati Wasserman法律事務所のAshish Talati弁護士とも情報交換をしてきます。今後、どのような変化が起こるのか、可能な限り調べて、会員企業の皆さまにはいち早くご報告をします。
その他、腸脳相関を含むプロバイオティクスやオメガ3に関するニュースが注目です。米国出張では店舗視察もしてきますので、これらもしっかり見てきます。
武田 猛
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2024年3月12日号 トピックス
Market News マーケット
●オメガ3研究の変遷:心臓から脳の健康まで
Products & Technology News プロダクツ&テクノロジー
●腸脳相関を再現する技術、Gut-brain axis on a chipモデル
Science News サイエンス
●高濃度オメガ3は脳卒中リスクを下げる可能性
●食物繊維の有効性は個人によりさまざま
●NCD患者へのChatGPTの栄養指導には限界がある
●複数株のプロバイオティクスが睡眠の質を高める可能性
●英国の双子コホート研究、プレバイオティクスが認知機能を高める可能性
Company News 企業情報
●Guud社、生理期間の健康サポートに特化
Regulatory News 法規制
●シンガポールのMUIS、培養肉を条件付きでハラールと認める
●米国と欧州のサプリメント規制に関する分析研究
●USDA、OLPSの新基準を施行
●Nutri-ScoreとNova分類の評価はおおむね矛盾なし
●米国食品医薬品局(FDA)、NDIガイダンスを公表
[今号のハイライト]
米国食品医薬品局(FDA)、NDIガイダンスを公表
[2024/3/5] [FDA]
3月5日、米国食品医薬品局(FDA)は、「Dietary Supplements: New Dietary Ingredient Notification Procedures and Timeframes」と題する業界向け最終ガイダンスを公表した。このガイダンスは、2016年に改定されたガイダンス草案のセクションⅤ(NDIの通知手順と期間)を最終化するものである。
同ガイダンスは、NDI申請の手続きとレビュープロセスに関して、よくある質問に焦点を当てており、新規ダイエタリー原料(new dietary ingredients:NDI)及びダイエタリーサプリメントの製造者及び販売業者におけるNDI申請の準備と、FDAへの通知を支援することを目的としている。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2024年3月12日号」より抜粋)
グローバルニュートリション研究会の会員企業の皆様は、会員ページで最新記事から過去10数年分のバックナンバーまですべての記事を読むことができます。
グローバルニュートリション研究会とは?
世界中のニュートリションに関する情報の洪水の中から価値ある情報を厳選し、タイムリーに提供する、日本で唯一のサービスです。
単なる情報ではなく、これまで、弊社が関わった750以上のプロジェクトから得た経験や知見もお伝えしています。
ご多忙の皆様が、業界動向を短時間で把握できますよう、お役に立てることができましたら幸甚です。
最新記事 by 武田 猛(たけだ たけし) (全て見る)
- 機能性表示食品の届出制度変更、ポイント解説|ウェルネスフード・ワールド第116回 - 2024年10月21日
- サプリメントの定義、存在意義は?|ウェルネスフード・ワールド第115回 - 2024年7月22日
- Nestléの成長戦略|ウェルネスフード・ワールド第114回 - 2024年6月20日