こんにちは、GNGの武田です。
8月12日号のグローバルニュースをお届けいたします。
今号では、中国保健食品について最新のニュースを紹介しています。
2015年に改正された中国食品安全法に基づき、2016年7月1日より「保健食品登録及び届出管理弁法」が施行されました。保健食品には、「登録」と「届出」の2つのルートが出来ました。
「登録」は、国家市場監督管理局(SAMR)(旧CFDAの保健食品審査機関)が企業からの申請に対し、登録の可否を審査・許可するプロセスになります。
一方、「届出」は、企業が必要書類を揃えてSAMRに提出すると、届出番号が発行され、届出情報がWeb上に公開されるという、日本の機能性表示食品制度と近いプロセスになります。対象となる保健食品もそれぞれ異なっています。
「登録」は、
①「保健食品原料目録」に未掲載の原料(目録外原料)を使用した保健食品
②初輸入の保健食品(栄養素補充保健食品は除く)
が対象となります。
一方、「届出」は、
①「保健食品原料目録」掲載原料で27種類の機能性の保健食品(ただし、輸入品は除く)
②初輸入のビタミン・ミネラル等栄養素の補充を目的とした保健食品
が対象となります。
「届出」の対象となる保健食品は、所定の届出を行い、即時発行される「届出番号」を取得すれば、中国国内での販売が可能となります。真実を隠蔽したり、虚偽の資料を提出すると警告が与えられ、1年間、再届出ができなくなるだけでなく、刑事罰も課せられます。
今年上半期に「登録」保健食品では、「免疫力強化」「血中脂質の低減」「抗酸化」が上位3機能だったそうです。今年上半期に「登録」された製品は134件でした。一方、今年上半期に「届出」保健食品として公表された製品は1,483件あり、その内、輸入品はわずか2件でした。カナダとオーストラリアの企業の商品です。
各国にヘルスクレーム制度はありますが、海外からのエントリーは、どの国も一定のハードルがあるようです。
武田 猛
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。
本日配信したグローバルニュースでは、Nutraingredients誌、欧州のスポーツニュートリション業界調査の結果発表、中国の保健食品届出: 2022年1月~7月 中国国外企業の承認は2社のみ、妊娠中のエキストラバージンオリーブオイル摂取が母乳の抗酸化力を上昇、中国保健食品登録:免疫力強化、血中脂質低下、抗酸化の訴求が上位、など17の記事を取り上げています。
この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2022年8月12日号 トピックス
Market News マーケット
●よりクリーンかつ健康的で美味しい代替タンパク質の新しい流れ
●インフレがナチュラル・オーガニック食品の売上へ及ぼす影響
●Nutraingredients誌、欧州のスポーツニュートリション業界調査の結果発表
●ポリフェノール含有サプリメント、含有量に大きな幅
●中国保健食品登録:免疫力強化、血中脂質低下、抗酸化の訴求が上位
●中国の保健食品届出: 2022年1月~7月 中国国外企業の承認は2社のみ
●腸内の食物繊維の微生物発酵にアレルギー反応を抑える働き
●米国のプラントベースミルク売上高動向
Science News サイエンス
●妊娠中のエキストラバージンオリーブオイル摂取が母乳の抗酸化力を上昇
●コエンザイムQ10とローヤルゼリーのブレンドが運動能力を向上させる可能性
●ネスレ社が出資の研究、HMOブレンドが母乳による腸の発達に寄与することを発見
●食卓での食塩追加と早死リスクに関する新しい研究
●豪州の研究:運動は不健康な食事による死亡リスクを減らすことはできない
Company News 企業情報
●Seed Health社とAxial Therapeutics社、脳腸プログラムで提携
Regulatory News 法規制
●WHOガイドライン草案、ノンカロリー甘味料の長期的摂取が健康に与える影響懸念
●カンナビス解禁のタイ、THC含有量問題で取り締まり強化
●米上院議員によるGRASプログラムの見直しを求める法案に議論噴出
[今号のハイライト]中国保健食品登録:免疫力強化、血中脂質低下、抗酸化の訴求が上位
[2022/7/20] [Foodnavigator-asia.com]
今年上半期に中国で「ブルーハット」に認定された保健食品は、「免疫力の強化」、「血中脂質の低下」、「抗酸化」が上位3つの訴求であった。
中国では、国家市場監督管理局 (SAMR) により保健食品の登録がなされ、認証を受けた製品は「ブルーハット」のロゴが印刷される。この登録はもう一方の届出システムである、保健食品ファイリングよりも複雑で、費用も時間もかかる。しかし、保健食品原料目録にない機能性成分が含まれているサプリメントが認証を受けることができればオフライン、オンラインでの販売が可能となる。ロゴのない海外のサプリメントは一部を除きほとんどが越境ECを通して中国に入るが、この認証を受けた数少ない海外企業としては、Swisse社(豪州)があり、Chromadex社(米国)も認証手続きの過程にある。
上位3つ以外で登録されている機能性は、「睡眠サポート」、「眼精疲労の軽減」、「肉体的疲労の軽減」、および「腸内環境の改善」といったものが挙げられる。成都に本拠を置くNutryfarm社が 5 製品で登録に成功し、そのうちの3つは「免疫の強化」、1つは「疲労の軽減」、1つは「血中脂質の減少」を助けるための製品である。
登録に成功した保健食品の中で最も一般的な剤型はハードカプセルで、2022年上半期に登録された134 製品のうち 40 製品がこの剤型で製造された。その他はソフトカプセルが35製品、タブレットが31製品、顆粒が10製品、液体が10製品となった。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2022年8月12日号」より抜粋)
グローバルニュートリション研究会の会員企業の皆様は、会員ページで最新記事から過去10数年分のバックナンバーまですべての記事を読むことができます。
グローバルニュートリション研究会とは?
世界中のニュートリションに関する情報の洪水の中から価値ある情報を厳選し、タイムリーに提供する、日本で唯一のサービスです。
単なる情報ではなく、これまで、弊社が関わった600以上のプロジェクトから得た経験や知見もお伝えしています。
ご多忙の皆様が、業界動向を短時間で把握できますよう、お役に立てることができましたら幸甚です。
最新記事 by 武田 猛(たけだ たけし) (全て見る)
- 機能性表示食品の届出制度変更、ポイント解説|ウェルネスフード・ワールド第116回 - 2024年10月21日
- サプリメントの定義、存在意義は?|ウェルネスフード・ワールド第115回 - 2024年7月22日
- Nestléの成長戦略|ウェルネスフード・ワールド第114回 - 2024年6月20日