こんにちは、GNG武田です。
NNB3月号日本語要約版をお送りします。
今号では「種子油フリー」トレンドが広まりつつあるという記事が目を引きました。
先月、NNBから” Seed oils – the next free-from?“というレポートが出たばかりですが、『次のグルテンフリー』になるかも知れません。
1990年代には、グルテンフリーは非科学的な流行であり、セリアック病と診断された人以外には必要ないと、多くの企業や栄養士から揶揄されていました。その後、グルテンフリーはスーパーマーケットで最も一般的なメッセージのひとつとなり、約25%の消費者がグルテンフリーの製品を好み、複数のブランドが成功を収めています。
この新しい「free – from」は、グルテンフリーのように、最初は奇妙なニッチで、誰も成長するとは思っていなくても、10年から15年の間にはるかに大きくなる可能性を秘めているのではないでしょうか。
NNBの分析では、2000年のグルテンフリー製品はわずか30種類程度でしたが、2010年には2,000に迫っています。そして、2020年には6,000と急速に増加しています。
グルテンフリーは、当初はライフスタイル・コンシューマーにのみ支持されていましたが、2010年を境にマスマーケット・コンシューマーへ広がっていったことが分かります。
「種子油フリー」は、今のところライフスタイル・コンシューマーの一部に支持されているに過ぎません。NNBの5カ国調査の中で、種子油を避けていると答えた消費者の割合は、2019年にはごくわずかでした。しかし、2021年にはこの数値が2%と測定可能になりました。そして2023年には、5カ国すべての平均で、6%の人が種子油を避けていました。
この数字はまだままだ小さなものですが、健康に対する考え方は、通常、健康志向の強い消費者の間で始まり、より広い市場へと成長していきます。それが主流になるかどうかは、時間が経たないとわかりません。しかし、過去25年間の教訓は活かせると思います。
イノベーションケーススタディとして、「培養油」のケースが取り上げられています。
こちらも、「種子油フリー」と合わせてお読みいただくと興味深いと思います。
(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛
この記事について
GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。
毎月、最新情報を「定点観測」することで、ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を素早くつかむことができます。
本日配信したNNBマガジンでは、消費者が本当に欲しいもの:罪悪感なく食べられることはヘルスクレームに勝る、種子油フリーのトレンドは見過ごせず:すでにニッチに成長中、食品大手は再生型農業をメインストリームコンシューマーの意識に働きかける、などを取り上げています。
この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
■NNB(New Nutrition Business)3月号 トピックス
今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:
●食品大手は再生型農業をメインストリームコンシューマーの意識に働きかける
●消費者が本当に欲しいもの:罪悪感なく食べられることはヘルスクレームに勝る
●成功への確実な7つのステップ
●プラントミートビジネスのリーダーは将来ゾンビとなるのか?
●良い夢はPost社の睡眠シリアルで?
●FDAはプラントミルクに栄養素不足の警告表示を求める
●種子油フリーのトレンドは見過ごせず:すでにニッチに成長中
●農家の顔が見えるマーケティングでカスタマーエンゲージメントを高める
●「ゆっくり、確実に」戦略で、少ない材料と味にこだわり菌糸体「ベーコン」を販売
●プラントベースナゲットブランドがBeyondを凌駕する
●テック系オイルブランドが新しい健康ニッチを本格展開
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[今号のハイライト]
食品大手は再生型農業をメインストリームコンシューマーの意識に働きかける
食品業界はリジェネラティブ農業(再生型農業)を、知名度の低い農業業界の関心事から、消費者に広く認知されるブランドメッセージにもなり得るサステナビリティの取り組みに移行させる方法を模索している。2023年半ばまでに、米国の消費者は、Danone社、McCain社、Unilever社、Grupo Bimbo社、Hormel社、General Mills社などの製品を、より持続可能な食品生産形態から生まれたものとして選ぶことができるようになるだろう。ADM社やCargill社といった大手コモディティメーカーもまた、再生型農業に取り組んでいる。
(会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2023年3月号」日本語要約版より抜粋)
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