こんにちは、GNGの若林です。
今号では、「サステナビリティ」をテーマとした記事がいくつか掲載されています。
すべてのビジネスにおける標準となっている「サステナビリティ」には様々な解釈がありますが、共通する目的は環境への配慮といえます。
「サステナビリティ」はNNB 10 Key Trends 2020ではメガトレンドとして挙げられていますが、「サステナビリティ」自体が成長トレンドではなく、成長している企業は、「『サステナビリティ+α』(例えば高たんぱく質、低糖等)を提供している」「サステナビリティは、消費者を安心させる基本メッセージだが、ベネフィット(プロテイン、植物性等)と一緒であって初めて価値あるものとなる」と述べられています。
今号で挙げられているサステナビリティをテーマとした記事の内容を、少しご紹介いたします。
論説2「サステナビリティという迷路を進む挑戦」は、新たなエビデンスにより、これまでサステナビリティの良い例とされていたものがそうではなくなった、という苦戦例が挙げられています。
具体的には、多くの消費者に環境のサステナビリティを示唆してきた豆乳のプラントベースという健康ハロー効果が、乳製品よりもダイズの栽培の方が生態系に害を及ぼす、と主張する新たな研究に煽られている、といった内容です。
論説3「グラスフェッドというサステナビリティで挑戦ブランドの株価が急騰」は新規ビジネスVital Farms社の成功例です。
サステナビリティを消費者にもわかりやすいもの(来歴、トレーサビリティ、動物愛護、手作業での育成、小規模農場)にしたことで、成功を収めたと述べられています。
また、同社の商品は動物由来であり、一概に「植物由来」のメッセージが説得力のあるものとは言えない、ということにも注目されています。
プラントベースケーススタディでは、第2のオーツミルクを目指す「大麦ミルク」の商品が挙げられています。Take Two Foods社の商品は、廃棄されるビール醸造後の大麦に着目したサステナブルの発想、たんぱく質やカルシウムの多さといった「栄養価の高い商品」を+αの要素として取り入れています。
Bright Barley 社の商品は、サステナビリティに加え、由来原産地の証明を+αとしています。
どのようなベネフィットを+αとして組み合わせるかのヒントとして、各号のNNBで挙げられている様々なケーススタディが貴社の商品開発のご参考になりましたら幸いです。
(株)グローバルニュートリショングループ 若林 恵理
この記事について
GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。
毎月、最新情報を「定点観測」することで、ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を素早くつかむことができます。
本日配信したNNBマガジンでは、グラスフェッドというサステナビリティで挑戦ブランドの株価が急騰 、などを取り上げています。
この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
■NNB(New Nutrition Business)9月号 トピックス
今回、会員向けに日本語要約してお届けしたNNBの話題は以下の通りです:
●食生活指針は現実世界には当てはまらない?
●サステナビリティという迷路を進む挑戦
●グラスフェッドというサステナビリティで挑戦ブランドの株価が急騰
●プロテインのスナック化戦略が成功をもたらす
●ヌートロピクス:チャンスなのか、失敗が目に見えているのか
●植物性タンパク質の潜在的破壊者は品質にスポットライトを当てる
●大麦は第2のオーツミルクになれるか?
●フレーバーウォーターブランドが成功するための3本の柱
●パンのカテゴリーに挑戦するスライスチーズの革新
●伝統的な砂糖たっぷりのおやつがスポーツバーに再構築される
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[今号のハイライト]
サステナビリティという迷路を進む挑戦
サステナビリティはメガトレンドであり、全ての企業の戦略に不可欠な要素である。
しかし、そのように高潔なターゲットは、リスクフリーではない。サステナビリティを取り巻く科学的知識は、今も展開し続けており、解決したとは言い難い。サステナブルな選択肢として位置付けられたある商品が、次の日にはサステナビリティ議論の悪い側になる可能性もある。
豆乳のメーカーは、今それを感じている。
(会員向けニューズレター「NNBマガジン2020年9月号」日本語要約版より抜粋)
【NNB(New Nutrition Business)】とは
「NNB(New Nutrition Business)」とは、食品・栄養・健康の分野で読者の75%が企業の経営トップである、英国発信の業界専門誌です。
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