SupplySide Global 2025で注目された女性の健康を支える最新トレンド、ほか|GNGグローバルニュース2025年11月27日号





こんにちは、GNG武田です。

10月末にラスベガスで開催された SupplySide Global 2025(SSG)では、例年にも増して ウィメンズウェルネス(Women’s Health)が大きな存在感を示していました。
今号では、ウィメンズウェルネスに関連する記事が2件あります。
そこで、SSGやロサンゼルス近郊の店舗視察の状況と最新記事を踏まえ、最近のウィメンズウェルネスのポイントを整理してみました。

◎ Women’s Wellnessが“主役”になった背景
① ライフステージ全体をカバーする提案が一気に増加
月経・妊娠期・産後・更年期・高齢期まで、女性の生涯を通じた課題を一貫して扱う出展が目立ちました。
「膣バランス」「尿路」「骨」「代謝」など、従来はバラバラだったカテゴリーが統合的に語られています。
② ホルモン × 代謝 × 気分 × 睡眠の“複合テーマ化”
SSG会場では、ホルモン変化を基点にした 気分(Mood)、睡眠(Sleep)、代謝(Metabolic Health)、腸(Gut) の掛け合わせが一気に増加しました。女性の健康課題が「単体機能」ではなく “全体設計” で語られているのが大きな変化です。
③ “エビデンス重視”が当たり前に
女性アスリート、更年期女性、産後女性など、女性特有の生理・代謝を対象にした臨床データの提示が急増しています。「女性向け」を名乗るだけでは差別化できず、確かなエビデンスが必須になっています。
④ フォーマットは“続けやすさ”と“嗜好性”
グミ、ショット、チョコ、ドリンクなど、生活に溶け込む設計が増加しています。「続けられるかどうか」が、女性市場では決定的に重要であるというメッセージが明確でした。
⑤ 市場として成熟し、“投資対象”へ
海外では、ウィメンズウェルネスはもはやニッチではなく成長カテゴリーとなっていいます。大手サプライヤーも専用のプラットフォームや臨床プログラムを立ち上げています。

◎ 日本企業へのヒント
• 女性のライフステージ別“課題”からの逆算設計が重要です。
• 「ホルモン × 代謝 × 気分 × 腸」の複合ベネフィットは、日本市場でも大きな空白領域なのでは。
• フォーマット(グミ・ショット・ドリンク・嗜好性の高い食品形態)は、日本企業が最も得意とする分野です。
• 日本ならではの素材(和ハーブ・発酵・食文化)を女性市場に転用する余地が大きいと感じます。
今年のSSGでは、ウィメンズウェルネスが「周辺カテゴリー」から「市場の中心」へ移りつつあることを強く実感しました。
今後も、世界の最新トレンドを継続してウォッチし、皆さまに情報をお届けします。

 

この記事について

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■GNGグローバルニュース 2025年11月27日号 トピックス

Market News
●長寿志向とウエイトマネジメントが食品・飲料のイノベーションを促進する

Products & technology News
●クリーンラベル対応がプラントベース肉代替品の市場拡大を後押しする可能性
●S-エクオールが支える女性のホルモンバランスと健康
●SupplySide Global 2025で注目された女性の健康を支える最新トレンド
●世界最大の乳業企業Lactalis、米国でGLP-1フレンドリーヨーグルトを発売

Science News
●レモンマートルエキスが低負荷トレーニングと併用で筋肉増強を示唆する研究報告
●ポストバイオティクスがブルーライトから眼を守る可能性
●自然派成分「PMSoff」が示すPMS症状軽減の可能性――注目の臨床試験結果報告
●超加工食品:The Lancet 報告から見えた5つの主要な影響

Company News
●KÄÄPÄ Biotech、約900万ユーロの資金調達でマッシュルーム関連事業の成長を加速

Regulatory News
●Lancet の UPF 報告に対し食品業界が反発──「政策と科学的根拠に課題」と指摘

[今号のハイライト]SupplySide Global 2025で注目された女性の健康を支える最新トレンド|GNGグローバルニュース2025年11月27日号

 2025年に米ラスベガスで開催されたSupplySide Globalでは、女性の健康分野に特化した成分や製品への関心が高まっていることが鮮明となった。
 なかでも、更年期の脳のもやもや感に対応する機能性チョコレートの新商品が話題を呼んだ。これは記憶力向上を意図したペプチドや、鉄の吸収を助けるラクトフェリン、ホルモン調整を目指すシャタバリ由来成分などを組み合わせたものであるとされている。また、ハーブのシャタバリは複数の企業が取り上げ、標準化された成分や臨床試験に基づくエビデンスの蓄積が進んでいる。シャタバリの特定素材は更年期女性を対象にした研究で有望な結果が示唆されている。
 さらに、プロバイオティクスやポストバイオティクスの分野でも女性のホルモンバランスや睡眠に特化した菌株が注目を集めている。例えば、特定の菌株を用いた製品はエストロゲンレベルの維持や睡眠の質改善に寄与する可能性があるとされている。
 このほか、クレアチンは従来のスポーツ向け用途から女性の健康維持への関心へと広がりを見せており、筋肉やエネルギー、ストレス緩和などの観点から研究が進められている。

出典
SupplySide Supplement Journal(2025年11月13日)
https://www.supplysidesj.com/healthy-living/5-ways-womens-health-won-attention-supplyside-global?utm_campaign=SupplySide_SJ_News_NL_20251118&utm_emailname=SupplySide_SJ_News_NL_20251118&utm_medium=email&utm_source=eloqua&utm_MDMContactID=b50c5a7e-81cd-4425-8e0f-8eb2e4a00736&utm_campaigntype=Newsletter&eM=2df495b03823e014ae1cf0fb19b3755948b0b411b82cbc874989dfd640d74163&eventSeriesCode=ES_NATPRINSDRDGTL&eventEditionCode=HLN00INS&sessionCode=S_INSNWLTRWE&sp_eh=2df495b03823e014ae1cf0fb19b3755948b0b411b82cbc874989dfd640d74163

 


 (会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2025年11月27日号」より抜粋)

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