こんにちは、GNG武田です。
今号のニューズレターで掲載している海外ニュース9本のうち、
特に次の5本のトピックスが興味深かったので、ご紹介します。
【1】2025年のプラントベース製品における主要トレンド
急成長後に見直しを迫られているプラントベース市場では、「ハイブリッド製品」やプライベートブランド製品の台頭が注目されています。企業買収や製品多様化も進み、サステナビリティとコストバランスの両立が鍵となっています。
【2】健康的な加齢から「健康寿命」へのシフト
老化へのアプローチは「60代以降」から「30〜50代の生活習慣形成」へとシフト。細胞の健康を重視した新興ブランドが急増し、NACやNMNなどの成分に再び注目が集まっています。
【3】インフルエンサー発、評価額2,000万ドルのヌートロピックブランド
英国で話題のNeutonic社は、「生産性向上ドリンク」で未開拓の市場を開拓。味と機能性を両立し、18か月で300万本以上を販売。新フレーバーやノンカフェイン製品の展開も進んでいます。
【4】サプリメントの「信頼度」を可視化する新ツール登場
Canomiks社が発表した無料アプリ「What To Trust」は、原料・配合レベルで有効性をスコア化。科学的根拠が不明瞭な製品への透明性向上に貢献し、サプリ業界の信頼性を底上げする注目の取り組みです。
【5】トマトの葉が新たなたんぱく源に?
廃棄されがちなトマトの葉に最大27%のたんぱく質が含まれることが判明。光合成酵素Rubiscoに注目が集まりつつも、抽出効率や色・味の課題が商業化へのカギとなっています。
このほか、ティーンエイジャー向けのウェルビーイング市場や口腔マイクロバイオーム、代替卵製品の欧州進出、EUのノベルフード規制改革といったテーマも取り上げています。
グローバルニュースにつきましては、このたび編集方針を変更することにいたしました。
次号より、変更後の方針に基づいた内容でお届けいたします。
なお、詳細につきましては、別途あらためてご案内します。
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2025年7月17日号 トピックス
Market News
●2025年のプラントベース製品の牛乳・乳製品に影響を与える主要トレンド
●健康的な加齢から健康寿命へのパラダイムシフト
Products & technology News
●英国の2人のインフルエンサーが2,000万ドル規模のヌートロピックブランドを構築
●Canomiks社がサプリメントの有効性を証明するツールを発表
●トマトの葉は次の奇跡のたんぱく質か
Science News
●口腔マイクロバイオームの可能性
Company News
●米国の代替卵ブランドが欧州市場に進出
●Monteloeder社、慢性的な睡眠不足とティーンエイジャー向けウェルビーイング市場に対応
Regulatory News
●EUのバイオテクノロジー法は、ついにノベルフード承認の行き詰まりを打破できるだろうか?
[今号のハイライト]2025年のプラントベース製品の牛乳・乳製品に影響を与える主要トレンド|GNGグローバルニュース2025年7月10日号
[2025/7/1][foodnavigator.com]
2025年、プラントベース肉代替品・乳代替品市場は、急成長後の販売減少や投資不足、超加工食品への批判、企業破綻などの逆風を受けながらも方向転換を図っている。
Impossible Foods社はハイブリッド肉とプラントベースバーガーの発売を検討している。また、オランダの小売大手Albert Heijnは肉・乳製品とプラントベース素材を組み合わせた15種類の新商品を展開するなど、ハイブリッド製品への注目が再燃している。これらハイブリッド製品は、100%の肉・乳製品よりも二酸化炭素排出量が少なく、飽和脂肪酸などを抑えつつ、また味や食感でプラントベース製品より優れ、価格も従来品と同等に抑えられているため、消費者の価格負担軽減にもつながっている。
また、価格重視の消費者ニーズを反映し、フランス、ドイツ、イタリア、スペインでプライベートブランドのプラントベース製品が増加し、代替たんぱく質の普及と発展を推進する非営利団体Good Food Institute(GFI)ヨーロッパは、これら手頃な価格帯の製品がプラントベース食品の主流化を後押ししていると指摘している。マーケティングリサーチ会社NIQのデータによれば、スペインでは約半数、ドイツ37%、英国32%の世帯がプラントミルクを購入し、スペインでは2割超、ドイツ・英国では約3割の世帯がプラントミートを購入している。プラントベース食品メーカーにとって良いニュースばかりではない。2022年から2024年でブランド製品の売上は8.3%減少した。しかし一方で、6つのプラントベースカテゴリーではプライベートブランド製品が6.8%増加している。
さらに、アニマルフリー製品の今後の成長は肉模倣製品に限らず、伝統的な豆腐やテンペに加え、英国のVeg’chopのように豆類や野菜を組み合わせた肉を模倣しない革新的製品も冒険的なフレキシタリアン層に支持されている。
業界の統合・再編も活発で、Unilever社のThe Vegetarian Butcher売却やVFC Foods社によるMeatless Farm買収、Valioの分社Oddlygood社によるプラントミルクメーカーRude Health社の買収に加え、菌類分野ではLibre Foods社がPlanetary SA社に買収され、発酵技術を活用したキノコ由来のベーコン代替品開発などが進んでいる。これらの動きは、プラントミート・プラントミルク業界が停滞せず、持続可能で多様な製品開発を通じて進化し続けることを示している。
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2025年7月17日号」より抜粋)
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