Lembas社、ナチュラルなGLP-1分泌促進ペプチド「GLP-1 Edge」を開発、ほか|GNGグローバルニュース2025年7月10日号





こんにちは、GNG武田です。

今号のグローバルニュースは、海外の注目ニュース13本を厳選してお届けしています。
その中から、特に興味深い5つのトピックを簡潔にご紹介します。

【1】健康志向の“ご褒美”が人気:高たんぱく質アイス市場が拡大
カッテージチーズやクリーンラベル原料を使った高たんぱく質アイスや冷凍デザートが登場し、健康志向の「ご褒美」として人気上昇中。2034年には市場規模49億ドルに達する見込みです。

【2】「層別栄養」という新しい視点
シンガポールでは、個別化と普及性を両立させる“層別栄養(Stratified Nutrition)”の概念が提唱されています。文化的嗜好やコストへの感度に配慮した、集団単位での栄養最適化が鍵となっています。

【3】GLP-1分泌促進ペプチドで“ナチュラルなオゼンピック”?
イスラエルのスタートアップが開発したAI設計のペプチド「GLP-1 Edge」は、GLP-1ホルモンの分泌を促進し、食欲抑制や代謝調整への作用が期待されています。医薬品に代わる自然由来素材として注目されています。

【4】乳製品で中性脂肪が低下? イランでの横断研究
約2万人(25歳以上)を対象としたイランの横断研究では、乳製品の摂取が血中中性脂肪を10〜13%低下させる可能性があることが示されました。一方、果物・野菜の摂取は血中脂質に有意な影響を与えず、むしろHDL-Cが約2%低下するケースもありました。食習慣と健康指標の関係を見直す契機となるデータです。

【5】野菜を食べても糖尿病は増える? 驚きの国際調査
175カ国を対象とした調査で、「野菜・果物の摂取が増えているのに糖尿病患者が増えている」という結果が示されました。
野菜の摂取は健康維持に有益だというのが一般的な認識で、各国ともその摂取量を増やすような健康栄養政策を取ってきましたし、今もしています。
それにもかかわらず代表的な生活習慣病である糖尿病を抑えるに至っていないどころか、むしろ増加していることに驚きました。
この論文については詳しく分析し、次回GNGニューズレターで考察する予定です。


この他にも、UPFの新しい分類システム、更年期サポート商品の認定プログラム、腸皮膚相関、FSANZが培養肉を許可、など注目の話題をピックアップしています。

武田 猛

この記事について

GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に2回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

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■GNGグローバルニュース 2025年7月10日号 トピックス

Market News
●盛んに行われるUPF分類の新しいシステム開発
●GenM社、更年期サポート商品の認定プログラムMTickを展開

Products & technology News
●Lembas社、ナチュラルなGLP-1分泌促進ペプチド「GLP-1 Edge」を開発
●限外ろ過牛乳を利用した商品開発を行うブランドが目立つ
●高たんぱく質アイスクリームはトレンドになるか

Science News
●アジアの健康を目指す層別・個別化栄養ソリューション
●パーソナライズされた紫ブドウジュースはサッカー選手の持久力を増大させる可能性
●野菜・果物摂取は増えているにも関わらず糖尿病患者が増加:世界研究
●皮膚の微生物がウェルビーイングに関連する可能性
●乳製品摂取で血中の脂質を改善する可能性
●魚・藻類DHA摂取がO3Iを上昇する可能性

Company News
●Vow社、オーストラリアで培養肉の提供を開始
●Danone社、Akkermansia Company社を買収



[今号のハイライト]Lembas社、ナチュラルなGLP-1分泌促進ペプチド「GLP-1 Edge」を開発|GNGグローバルニュース2025年7月10日号

[2025/6/16][greenqueen.com]

イスラエルのスタートアップ企業、Lembas社が、GLP-1生成を促す生活性型ペプチド「GLP-1 Edge」を開発した。
これは、体内でGLP-1ホルモンの生成を誘導して食欲を自然に抑える役割を果たす。米国では、20歳以上の成人の約4分の3が過体重および肥満で、小児や思春期の若者の5人に1人が肥満だといわれる中、OzempicやWegovyといった、ダイエット薬としてのGLP-1受容体作動薬の需要は急上昇している。現在、8人に1人がGLP-1ユーザーで、2028年までに7,000万人に到達すると見込まれる。だが、この薬剤の利用では、吐き気や嘔吐、不安感、イライラ、味覚問題などの副作用を生じることが指摘され、また、費用が1,000ドル/月と高価でもあることから、副作用の無い、手頃な代替品の開発に取り組むスタートアップが増えている。
Lembas社はAI創薬プラットフォームを活用し、自然な代謝メカニズムとともに作用する食品グレードのバイオアクティブペプチドを完成させた。すでに、細胞および動物モデルを使った試験でGLP-1の分泌を刺激する効果が報告されており、今後、栄養バー、スナック、シェイク、サプリメントなどさまざまな用途での利用が期待される。
同社は「ナチュラルなGLP-1による体重管理」に注力してきたが、「GLP-1 Edge」以外でも、機能性食品、機能性原料の開発に取り組んでいくことを明らかにしている。「医薬品としての食品」という考えは米国でも広まり、5人に4人以上は「医療体制は、疾患の管理、治療に食品・栄養プログラムを取り入れるべき」と答え、また、患者の10人に9人は「症状に対応するのに、服薬より健康な食生活を取り入れたい」と話している(Rockefeller Foundation)。Lembas社以外にもGLP-1代替商品の開発に力を傾ける企業は多く、例えば、チリのNotCo社は、AIを用いて、GLP-1の生成を促し、その分解する酵素を遮断する「GLP-1 Booster」を開発した。また、Supergut社は食物繊維やレジスタントスターチを用いてGLP-1促進剤を生産している。

 (会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2025年7月10日号」より抜粋)

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18年間の実務経験と21年間のコンサル経験を積み、39年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外800以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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