腸内細菌の重要性|ウェルネスフード・ワールド第99回

こんにちは、GNG武田です。
ようやく新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置が解除の方向に向かいました。少しでも早く「日常」に戻れれば良いな、と思います。

腸内細菌の重要性について書かれている本

皆さんは『土と内臓 微生物が作る世界』モントゴメリー,デイビッド、ビクレー,アンを読まれたことがありますか?

地質学者と生物学者の共著です。
とても面白い切り口で腸内細菌の重要性について書かれていて、目から鱗の内容です。

私が気になった「言葉」を列記してみました。

『土と内臓 微生物が作る世界』より列記

  • 腸は体内の庭

  • 食生活を変えて腸内の微生物ガーデニングを意識する。

  • 食生活を変えて腸内の微生物の庭園を耕すことで健康が改善される。

  • 根と大腸は同じ働き

  • ヒトの消化管をひっくり返すと植物の根と同じ働き

  • 伝統的な食品は、腸内マイクロバイオームの構成に良い影響を与える。

  • WTPダイエット:Whole grains(全粒穀物)、Traditional foods(伝統食品) Probiotics 中国の微生物学者 趙立平が提唱する腸内マイクロバイオームの構成を良好にする、健康的な食事法

  • 食べたものがマイクロバイオームの餌になる。

  • 穀物は完璧に近い栄養のパッケージであるが、近年不当に悪者にされている。問題の多くは、穀物を収穫した後の工程にある。精製と加工の工程で、完全だった栄養のパッケージがバラバラになってしまう。

  • 低繊維食の二つの問題 SCFA(短鎖脂肪酸)を生産する第腸内の細菌は餌不足になり、あまりに多くのブドウ糖が、あまりに早く血液に入ってくる。

  • 肉を食べ過ぎると、処理しきれなくなった小腸は、動物タンパク質を未処理のまま大腸に送る。そこで細菌は腐敗に切り替える。腐敗の厄介な点は、動物性タンパク質を作っている元素に由来する―かなりの量の窒素と少量の硫黄である―アンモニア、ニトロソアミン、硫化水素を発生する。

  • タンパク質腐敗の細菌性副産物を慢性的に浴びた大腸細胞は、長年かけてひどく傷つけられる。

  • 脂肪を取り過ぎると肝臓が刺激され胆汁が分泌される。脂肪をたくさん摂る人は大腸に届く胆汁も多くなる。この胆汁を大腸細菌相が二次胆汁酸という極めて有害な化合物に変える。二次胆汁酸は大腸内壁の細胞に毒性を持ち、DNAに損傷を与え、細胞の異常な成長を引き起こす。

  • オメガ3脂肪酸には抗酸化作用があり、抗炎症物質であるSCFAも代わりをする。

  • オリーブに豊富に含まれるさまざまなフィトケミカルがSCFAの代わりをする。

  • 繊維を発酵させる細菌が、タンパク質を腐敗させる細菌が作りだした問題を解決してくれる。

  • 健康な食事の鍵はバランスに多様性、精製炭水化物をはずすこと。いたってシンプル。自分のマイクロバイオームを背景に、食べ物をどう考えるかを重視している。派手さはまったくないし、センセーショナルでもない。

  • 何を食べるかを考えるとき、自分が本当は何のために食べているのか、それは自分が食べたもので何をするのかを意識した方がよい。

  • ヒトの健康を保つ秘訣は、有機物を農地に戻して、農業のやり方を自然の分解を再生のサイクルにならったものにすること。土壌細菌と菌根菌が、植物に欠かせない栄養素を供給するのは確か。

  • 植物と、ある種の土壌微生物との相互作用が、植物の防御と健康(そしてそれを食べる人間や動物の健康)を支えるフィトケミカルの清算に影響する。

  • 微量栄養素(銅、マグネシウム、鉄、亜鉛など)は、植物の健康と、植物を食べるものすべての健康の中心であるフィトケミカル、酵素、タンパク質を作るために欠かせない元素である。

  • 根圏微生物相を操って病原体を抑え、植物の健康を増進させる。プロバイオティクス、プレバイオティクスと共通している。

  • どちらも宿主に有益な生きた微生物を取り込ませる点において、植物への細菌の接種は食事のプロバイオに似ている。

  • 土壌肥沃度を回復させるためのもっとも単純な回答は、プレバイオティクスの方針に従い、有用な微生物に餌を与えることだ。

  • ヒトマイクロバイオームが私たちの免疫機構に欠かせないように、植物の根の内部やまわりに棲む微生物は、植物の防御機構のために欠かせないもの。

  • いずれも特殊化した領域―植物なら根圏、人間なら大腸―に、微生物を呼び寄せる栄養を用意する。

  • 腸内細菌と土壌細菌の多くが共通して腐生菌(サプロファイト)の系統にあり、いずれの場所でもそこにいる細菌は死んだ植物質を分解することに特殊化している。

  • 消化管の細胞が腸内微生物と相互作用し、根細胞は土壌微生物と取引をする。人間界と植物界は、微生物との活発な伝達と交流という共通する主題を持つ。

  • 根と腸それぞれの微生物相の役割が極めて似ていることは、基本的でもあり普遍的でもある関係を暗示している。いずれの場所でも、微生物の集団が宿主の生存に欠かせない二つの要素―食物を手に入れること、敵から身を守ること―を助けている。

これらの「ワード」に関心を持たれた方は、ご一読をお奨めします。

(株)グローバルニュートリショングループ 武田 猛

<GNG研究会について>

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そして、例えば「免疫」、「プロテイン」、「乳酸菌」、「腸内細菌叢」など特定のキーワードで過去の記事を見出し検索できるので、トレンド把握に役立ちます。

皆様のウェルネスフードビジネスに少しでもお役に立てましたら幸いです。

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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