先週、東京ビッグサイトで開催されたWFJにおいて、「健康食品・サプリメントの健全な市場流通を考える会」による公開討論会が行われ、私もパネラーの一人として参加しました。
会場からの質問で「被験者に病者を入れるべきでは」というものがありました。
業界の中でも誤解があるようですが、欧米では無条件で被験者に病者が入っていることを認めている訳ではありません。
米国ダイエタリーサプリメント制度では、FDAが出した「構造/機能強調表示に関する指針」の中で「サプリメントと研究結果の因果関係を証明するのに、介入研究が最も信頼できる科学的根拠とはなるが、被験者の個体群の違いを無視しては意味が無い。つまり、ある特定の集団を対象としている場合、その結果を一般化して表示に流用してはならない」と示されています。
また、「EFSAヘルスクレームの科学的根拠に関する指針」では「対象となる人口集団でエビデンスが立証されているかどうか、または研究における人口集団が対象となる集団に外挿出来るかどうか」と示されています。
欧米では、必ずしも病者のデータの使用を否定していませんが、表示対象者への外挿性は重視されています。
この点は非常に重要です。
GNGでは日本企業さんの海外進出のお手伝いをしていますが、米国ダイエタリーサプリメントに使用するエビデンスを現地弁護士にレビューしてもらうことがあります。
その際、被験者に対するコメントは必ず出ます。
機能性表示食品制度において被験者に病者を含める場合も、この外挿性には特に注意をする必要があると思います。
決して「欧米では認められている」訳ではないことに注意が必要です。
今号では、米国、EUのヘルスクレーム制度の現状と課題について考察しました。
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■GNGニューズレター 2018年8月1日号トピック
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●キッコーマン食品、塩分・糖質40%カットの「キッコーマン 本つゆ ヘルシー&ライト」を発売
●ヤクルトヘルスフーズ、機能性表示食品「ヤクルトのねむりナビ」を発売
●ユーグレナ、ペットボトル飲料「おいしいユーグレナ」シリーズの「野菜と乳酸菌」など3商品を発売
●伊藤園、熱中症対策飲料「日本の果実 瀬戸内レモン」を発売
●クラシエフーズ、GABA配合の「フリスク グレープフルーツミント」を発売
●ファンケル、「フェルラ酸」の価格を見直し新パッケージで発売
●RIZAP、糖質約70%オフのリニューアル「アイスクリーム」を発売
●サントリー食品インターナショナル、「サントリー 南アルプス PEAKERビターエナジー」を発売
●ブルーア、産後の心身の不調を和らげることに特化した「産後育児サプリ ママの素」を発売
●大正製薬、「食後の血糖値が気になる方のタブレット(粒タイプ)」を大正製薬ダイレクト限定で発売
●消費者庁、新たに5品の機能性表示食品届出を受理、撤回届は3件を受理
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