こんにちは、GNGの市野です。
今号も、食品・ヘルスケア業界の次の動きを考えるうえで見逃せない海外ニュースが届いています。
市場の変化、制度の議論、研究開発の進展まで、幅広いテーマが並びました。
例えば…
・AIが購買を代行する時代 食品・飲料業界で広がるエージェンティックコマース
消費者が商品を選ぶだけでなく、AIが条件に合わせて購買を代行する動きが広がり始めています。
食品・飲料業界でも、検索対策だけではなく「AIに選ばれる設計」が重要になる可能性があります。
・Nestlé社とNTUが共同研究拠点を設立:長寿と女性の健康を軸に栄養科学を強化
大手企業と大学が連携し、長寿や女性の健康をテーマに研究体制を強化しています。
高齢化やライフステージ対応が進むなか、研究テーマそのものが事業機会になっていることがうかがえます。
・米国でサプリ登録制度の導入議論が再燃:透明性向上と規制負担の間で揺れる業界
米国で、サプリメントの登録制度を求める議論が再び注目されています。
安全性や透明性の向上が期待される一方で、企業負担とのバランスも論点となっており、制度設計の行方が注目されます。
このほかにも、機能性飲料の新潮流、子ども向け市場の消費者理解、最新の臨床研究など、
多面的なニュースを掲載しています。
全体を通して読むことで、
個別トピックだけでなく市場全体の流れもつかみやすくなります。
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に4回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2026年4月30日号 トピックス
Market News
●プロテインソーダが生む新潮流 嗜好性と機能性が融合するモダンソーダの進化
●子ども向けニュートリション市場で見える親のニーズとブランドのギャップ
●AIが購買を代行する時代 食品・飲料業界で広がるエージェンティックコマース
Products & Technology News
●培養カカオによるチョコレートが実現:Mondelēz社が開発した「細胞由来チョコ」の意義
Science News
●コリン摂取と脳機能の関係 fMRI研究が示すネットワーク効率への影響
●マルチビタミンは効果があるのか バイオマーカー改善が示す栄養補完の可能性
●アダプトゲン配合サプリがストレス・不安・睡眠に影響する可能性
●サスカトゥーンベリーが血圧と腸に影響する可能性 臨床研究が示す多面的効果
●単回投与のクレアチンが睡眠不足時の認知低下を緩和する可能性:用量依存性も示唆
●発酵プラントベース乳製品の可能性 心血管健康と機能性向上を示唆
Company News
●Nestlé社とNTUが共同研究拠点を設立:長寿と女性の健康を軸に栄養科学を強化
Regulatory News
●米国でサプリ登録制度の導入議論が再燃:透明性向上と規制負担の間で揺れる業界
[今号のハイライト]
AIが購買を代行する時代 食品・飲料業界で広がるエージェンティックコマース|GNGグローバルニュース2026年4月30日号
食品・飲料業界において、AIが消費者に代わって購買行動を担う「エージェンティック・コマース(agentic commerce)」の概念が注目されている。これは、AIエージェントがユーザーの嗜好や条件を理解し、商品検索・比較・購入までを一連で実行できる仕組みであり、従来のEC体験を大きく変える可能性があるとされる。
この変化により、購買プロセスの主導権は「人間の選択」から「AIによる選定」へと部分的に移行しつつある。消費者は詳細な比較や情報収集を自ら行う代わりに、AIに意思決定の一部を委ねるようになり、購買の効率化やパーソナライズの高度化が進むと考えられている。食品分野でも、日常的な補充や定期購入など、反復性の高い購買行動において特に導入余地があると示唆されている。
一方で、この動きはブランドやマーケティングのあり方にも影響を与える。従来はパッケージや広告、店頭での訴求が重要だったが、今後はAIが読み取れる「データの質」や「比較可能性」が重要になるとされる。つまり、AIに選ばれるためには、成分、価格、機能、在庫情報などを構造化された形で提供し、アルゴリズム上で優位性を持つことが求められるようになる。
さらに、AIが購買を仲介することで、ブランドロイヤルティのあり方も変化する可能性がある。消費者が直接ブランドを比較・選択する機会が減る一方で、AIの評価ロジックに適合した製品が優先的に選ばれるため、「ブランド認知」よりも「機能的適合性」や「データ上の信頼性」が重視される構造にシフトすると考えられている。
ただし、こうしたモデルには課題も存在する。消費者の信頼性やプライバシーへの懸念、AIによる意思決定の透明性、さらには食品のように嗜好性や感情が関与する領域での適用限界などが指摘されている。特に食品・飲料分野では「味覚」や「体験」といった定量化しにくい要素が多く、完全な自動化には慎重な見方もあるとされる。
出典
FoodNavigator-Asia(2026年4月17日)
https://www.foodnavigator-asia.com/Article/2026/04/17/ai-and-the-rise-of-agentic-commerce-in-food-beverage/?utm_source=newsletter_daily&utm_medium=email&utm_campaign=21-Apr-2026&cid=DM1271887&bid=966889439
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2026年4月30日号」より抜粋)
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