こんにちは、GNG武田です。
今号では、海外のサプリメント市場で急速に存在感を高めている「クレアチン」について、最新トレンドをお伝えします。
今号では、クレアチンに関する2つの記事を取り上げています。
・ Creatine emerges in brain health supported by mainstream science
クレアチンが「脳のエネルギー代謝」「認知」「睡眠不足時のパフォーマンス」など、
筋力以外の領域で注目され、主流科学から支持が広がっているという内容です。
・ Creatine doses are increasing, and so is the research backing them
SSG(SupplySide Global)では、高用量(10g前後)での研究が進み、「脳」「骨」「女性ウェルネス」など新領域での応用が議論されました。
さらに、NNB『10 Key Trends 2026』では、キートレンド3:Energy 3.0(エナジー3.0)の代表素材の一つとして
クレアチンが“細胞レベルのエネルギー代謝(ATP再生)”を支える素材として注目されています。
従来のカフェイン型エナジーとは異なり、刺激ではなく“代謝基盤の最適化”をめざす方向性を象徴する素材として位置づけられています。
そして、消費者の関心が“コラーゲン以上のスピード”で高まっています。
NNBの消費者リサーチでも、ここ数年コラーゲンが美容・関節のメインストリーム素材として支持されてきましたが、
2024–2025年にかけては「次に試してみたい“エナジー素材”」としてクレアチンが上位に入り、
Z世代・ミレニアル世代の関心はコラーゲンを上回ると予想されています。
こうした動きは現場でも鮮明です。
SupplySide Global 2025ではクレアチン関連の展示が非常に多く、
・ ブレインヘルス
・ 女性ウェルネス
・ 高齢者のフレイル対策
・ 骨・筋連関
など、用途の多様性がここまで広がったのは今回が初めてだと感じました。
さらに、ロサンゼルスでのサプリメントショップ視察でも、クレアチンは最前列に陳列され、
プロテイン売り場と並んで一般層への浸透フェーズに入っていました。
クレアチンは現在、
・科学的エビデンス(脳・骨・ウィメンズウェルネス)
・用途(スポーツから日常のウェルネスへ)
・消費者関心(コラーゲンを上回る伸び)
・市場での露出(展示会・店舗での存在感)
といった複数の側面で、着実に領域が広がっている素材と言えます。
こうした流れの中で、クレアチンは Energy 3.0戦略の中心素材として、また「筋肉」から「全身のエネルギー代謝」へと裾野が広がる新しい切り口として、今後さらに活用の幅が広がることが期待されます。
今後も、世界の最新トレンドを継続してウォッチし、皆さまに情報をお届けします。
この記事について
GNGでは、会員向けに世界各国の健康・食・栄養に関するニュースをセレクトし、日本語に要約したものを月に4回、ニューズレター「GNGグローバルニュース」として配信しています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
……グローバルニュートリション研究会 会員企業様は、会員サイトにて、すべての記事をお読みいただけます。
■GNGグローバルニュース 2025年11月20日号 トピックス
Market News
●たんぱく質・食物繊維「マキシング」から脱却──消費者は食事の多様性へ移行
●2026年に注目されるフードテック動向
●2026年に浮上するサプリメント10トレンドのポイント
Science News
●クルクミンが肥満・2型糖尿病患者の肝脂肪を減少させる可能性
●「高用量クレアチン」の新潮流 — 脳と骨の健康を支える可能性
●クレアチンが「脳の健康」にもたらす可能性:主流科学の裏付け
●ビフィズス菌 BA-2591 が2型糖尿病患者の空腹時血糖値を低下させる可能性
Regulatory News
●サウジアラビアで「Nutri-Score」が最も効果的な栄養表示と評価される
[今号のハイライト]「高用量クレアチン」の新潮流 — 脳と骨の健康を支える可能性
|GNGグローバルニュース2025年11月20日号
SupplySide Global 2025のセッション「The creatine market shift」では、クレアチンの従来の5g/日から一歩進んだ、高用量(8〜10g以上/日)を日常的に摂るという戦略が提案された。
研究者たちは、これが脳機能、骨密度、健康的な加齢といった領域において、全身に様々なベネフィットをもたらす可能性を指摘している。
例えば、加齢や代謝的ストレスにさらされる細胞に対して、「エネルギーの蓄え」として高用量クレアチンが作用するという見方が示された。脳においては、日常生活のストレスや加齢による認知機能低下をターゲットに、10~20g/日の使用が有用との声もある。実際、アルツハイマー関連の臨床試験では、20g/日の補給により認知マーカーが改善されたという報告が示されていた。
骨への影響についても関心が高まっており、一部研究者は8g程度を「最小有効量」と考えている。また、高用量を摂る際には「小分けして複数回に分ける(頻回投与)」方が、体内での蓄積効率が高まり、過剰摂取のリスクを下げられる可能性があると指摘されている。
出典
SupplySide Supplement Journal(2025年11月8日)
https://www.supplysidesj.com/specialty-nutrients/researchers-at-supplyside-global-2025-advocate-for-higher-creatine-doses-to-support-brain-and-bone-health?utm_campaign=SupplySide_SJ_News_NL_20251111&utm_emailname=SupplySide_SJ_News_NL_20251111&utm_medium=email&utm_source=eloqua&utm_MDMContactID=b50c5a7e-81cd-4425-8e0f-8eb2e4a00736&utm_campaigntype=Newsletter&eM=2df495b03823e014ae1cf0fb19b3755948b0b411b82cbc874989dfd640d74163&eventSeriesCode=ES_NATPRINSDRDGTL&eventEditionCode=HLN00INS&sessionCode=S_INSNWLTRWE&sp_eh=2df495b03823e014ae1cf0fb19b3755948b0b411b82cbc874989dfd640d74163
(会員向けニューズレター「GNGグローバルニュース2025年11月20日号」より抜粋)
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