機能性表示食品制度等に関する今後の対応、ほか|GNGニューズレター6月3日号

本日配信のGNGニューズレターでは、冒頭の巻頭言にて、「健康と食品懇話会(健食懇)」が毎年実施しております「消費者意識調査」の結果の一部をご紹介しています。

国内ニュースからは、今後求められる「○活」で鍵を握るのは「菌活」、ネスレ ヘルスサイエンスの「機能性表示食品」サプリメント、コストコの調剤薬局で販売開始、キリンホールディングス株式会社、プラズマ乳酸菌でワクチン開発、機能性表示食品制度等に関する今後の対応などといった話題を取り上げています。

この記事では、その会員向けニューズレターの一部を抜粋してご紹介させていただきます。

こんにちは、GNG武田です。

先週27日、「機能性表示食品を巡る検討会」の報告書が公表されました。
4月19日から約1か月間の短期間にもかかわらず、多くの団体等からヒアリング行うなど、尋常ではないスピード感でした。その分、議論された内容は限定的であり、非常事態に対する応急処置、対症療法的な位置付けであった感は拭えないと思います。

報告書では以下の3点について制度見直しが提言されています。
1.健康被害疑い情報の消費者庁、保健所への報告義務化
2.サプリメント形状の機能性表示食品のGMPに基づく製造・品質管理の法的義務化
3.容器包装の義務表示事項の見直し

また29日には、厚生労働省の厚生科学審議会食品衛生監視部会の第1回会合が開かれ、今後の対応等が議論されました。その中で、「紅麹関連製品に係る事案を受けた機能性表示食品制度等に関する今後の対応について」も議論されました。

「今後の対応」として
・機能性表示食品に関しては(健康被害と疑われる)情報提供の義務化を図ることが考えられるのではないか。
・情報提供の義務化により、違反した場合は営業の禁止・停止の行政措置が可能となる。
と示されています。

そして、31日に紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合において、今後の対応が公表されました。

1.健康被害の情報提供の義務化
2.機能性表示食品制度の信頼性を高めるための措置
3.情報提供のDX化、消費者教育の強化
4.国と地方の役割分担

「健康被害(疑い)情報」の報告義務化は重要ですが、その前提には消費者からの相談、報告がスムーズに行われることが重要になります。検討会では、消費者の実態にまでは十分に議論が及んでいないように思えました。

業界団体である 「健康と食品懇話会(健食懇)」は毎年「消費者意識調査」を実施していますが、昨年11月に実施した調査では、「体調・不良が発生した場合の連絡先と実際の行動」についても聞いています。この結果を見ると、業界として、或いは各企業がどのようなことを心掛ける必要があるのかが見えてきます。

この度、健食懇さんの御厚意により、この「消費者意識調査」の結果について、GNGニューズレターでご紹介することが可能となりました。今号では、健食懇さんの消費者意識調査の結果から興味深い内容をいくつかご紹介させて頂きます。「機能性表示食品制度への期待」も聞いていますので、多くの示唆が得られると思います。

このような貴重な調査結果を快くご提供くださいました健食懇さんに、改めてお礼を申し上げたいと思います。そして、これからも有意義な調査を続けて頂けることをお願いしたいと思います。

最後に、健食懇さんのご紹介をさせて頂きます。

健康と食品懇話会

設立年:1985年「健康食品懇話会」として設立、1993年「健康と食品懇話会」に改称

設立目的:健康食品と機能性食品等の品質の向上、安全性の確保および健康食品、機能性食品並びに「健康と食」に関する適正な情報の交換および会員相互の親睦を通じ、健康食品と機能性食品等の普及の促進を図ることにより、国民の健康の保持、増進に寄与するとともに業界の健全な発展に資する。

会員数:45社

活動:各年度の理事をリーダーとして、会員企業の参加者で構成される3つのワーキンググループを活動のコアに、健康食品、機能性食品の品質向上および表示の適正化に向けた消費者理解を目的とした調査研究を実施。

武田 猛

GNGニューズレター(国内情報) 2024年6月3日 トピックス

<国内ニュース(要約)>

NEW PRODUCTS 新商品
●女性の精神的疲労感軽減を訴求した機能性表示食品届出公表
●「ビフィズス菌末BB536」機能性表示食品として新発売
●旭酒造×ユーグレナ、獺祭焼酎粕を再利用したサプリメント「bioDays 獺祭」を発売

MARKET NEWS マーケット
●今後求められる「○活」で鍵を握るのは「菌活」

COMPANY NEWS 企業情報
●SOULAとカゴメがヘルスケア領域で協業、食習慣サポートアプリを共同開発
●ネスレ ヘルスサイエンスの「機能性表示食品」サプリメント、コストコの調剤薬局で販売開始
●米ペガサス・テック・ベンチャーズ、カルビーとイノベーション創出に向けた協業を開始
●味の素株式会社、パリ2024日本代表選手団「TEAM JAPAN」へ「アミノバイタル®」など無償提供開始

SCIENCE NEWS サイエンス
●キリンホールディングス株式会社、プラズマ乳酸菌でワクチン開発
●減量に最適な食事タイミングを医学的に検証
●健康に役立つプルーンの栄養効果を発見
●金色のユーグレナ®が、インフルエンザおよび新型コロナウイルスへの感染予防につながる可能性をヒト臨床試験で確認
●「カスピ海乳酸菌」を用いてヨーグルトを手作りすることで子どものQOLが向上することを確認
●牛のゲップによるメタンガス排出削減に向け「カギケノリ」の共同研究を開始

REGULATORY NEWS 法規制
●小林製薬の紅麹サプリ、2種の化合物を検出 プベルル酸の腎毒性確認
●機能性表示食品を巡る検討会報告書
●機能性表示食品制度等に関する今後の対応

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[今号のハイライト]
機能性表示食品制度等に関する今後の対応

[原文:www.cas.go.jp]

5月31日に開催された、紅麹関連製品への対応に関する関係閣僚会合において、「紅麹関連製品に係る事案を受けた機能性表示食品制度等に関する今後の対応」が公表された。今後の対応として、①健康被害の情報提供の義務化、②機能性表示食品制度の信頼性を高めるための措置、③情報提供のDX化、消費者教育の義務化、④国と地方の役割分担を求めた。

 「②機能性表示食品制度の信頼性を高めるための措置」として、機能性表示を行うサプリメントについてはGMPに基づく製造管理を食品表示法に基づく内閣府令である食品表示基準における届出者の遵守事項とする「GMPの要件化」、新規の機能性関与成分に係る機能性表示の裏付けとなる安全性・機能性の課題について科学的知見を有する専門家の意見を聴く仕組みの導入や、特定保健用食品(トクホ)との違いや摂取上の注意事項の記載方法などの表示方法や表示位置などの方式の見直し等を含む「その他信頼性の確保のための措置」が盛り込まれた。

(会員向けニューズレター「GNGニューズレター2024年6月3日号」より抜粋)

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18年間の実務経験と20年間のコンサル経験を積み、38年間一貫して健康食品ビジネスに携わる。国内外750以上のプロジェクトを実施。「世界全体の中で日本を位置付け、自らのビジネスを正確に位置付ける」という「グローバルセンス」のもとに先行する欧米トレンドを取り入れたコンセプトメイキングに定評がある。世界各地にネットワークを築き上げ、情報活用サービス「グローバルニュートリション研究会」主宰。食品会社、化粧品会社、製薬会社の健康食品部門に対して、商品開発・マーケティング・海外進出などのコンサルティングを行っている。人が幸せに生きるためには健康が第一である。健康食品産業は「幸せ創造産業」である、という信念のもと、クライアントの成功を通じ、消費者に支持される業界を目指し、業界で働く人すべてが自分の仕事に誇りと自信をもてるようにしたいという想いから、業界健全化活動にも取り組んでいる。

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