こんにちは、GNG武田です。
昨日まで、10キートレンド連続解説セミナーを90分×5回で開催しました。
受講していただいた方、是非、ご感想をお聞かせください。
セミナーの中で何回もお話ししましたが、近年の成功事例は、複数のトレンドを効果的に組み合わせた、こだわった商品に仕上げていることに気付きます。
最近の日本の新商品を見ていると、この点に違いがあるように思います。
日本は、機能性表示食品制度の影響で、機能性関与成分にフォーカスした商品開発にシフトしている傾向を強く感じます。
一方、成功している海外ブランドは、ベネフィット(ヘルスベネフィットではない点に注意)にフォーカス、それも複数のベネフィットにフォーカスし、成分だけではなく、食品素材にフォーカスし選定しています。
今号にはThrive Frozen Nutrition社の医療栄養用フローズンデザートの事例が掲載されています。
「食べられなければ栄養ではない」という創業者の想いから開発されたフローズンデザートです。
2012年に事業が立ち上げられ、現在は米国全土に拡大し、米国内の病院や高齢者介護施設で提供されています。
ベターフォー・ユー・アイスクリームは、砂糖や脂肪を削減し美味しくなくなりますが、医療栄養では、全てを入れることを重視(高栄養、高カロリー、小食向け)しています。
日本には、特別用途食品制度に病者用食品がありますが、このような発想は難しいかも知れません。
私は、NNBを通じて海外トレンドに触れる機会が多いのですが、最近、ヘルスクレーム制度はトレンドには追い付けない、と思うことが増えてきました。
ヘルスクレーム制度ではヘルスベネフィット全てに対応することは出来ませんし、ヘルスベネフィットが消費者ニーズの全てでもありません。
また、制度によるコミュニケーションの内容に対する制限もあります。
生活者のウェルビーイングに対して、どのように貢献することが出来るのかという、ゴールからの発想が、ますます重要になってきました。
日本に限らず海外でも、ヘルスクレーム制度は利用できる範囲で活用し、ヘルスクレーム以外の方法のコミュニケーション戦略を徹底的に考え抜くことが求められていると思います。
また、エビデンスも、表示のためのエビデンスと市場化のためのエビデンスが必ずしも同じとは限りません。
逆算して必要なエビデンス構築をすることも重要だと思います。
このような問題意識を持って、来月開催のNatural Products Expo Westに参加してきます。
武田 猛
この記事について
GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。
毎月、最新情報を「定点観測」することで、ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を素早くつかむことができます。
この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
■NNB(New Nutrition Business)1月号 トピックス
今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:
●消費者の動物性プロテインへの回帰を受けUnilever社はプラントベース代替品から撤退
●プラントをプラントベースに戻す
●ベネフィット豊富なチョコレート:Peak Chocolate社はスポーツを超え健康に焦点当てる
●Alec’s Ice Cream はサステナビリティ、腸の健康、嗜好性を兼ね備えている
●Thrive アイスクリームがより良い栄養を提供
●タンパク質が低脂肪乳製品現象を後押し
●「ブースト穀物」が生物学的利用能の課題に挑む
●許容される楽しみとして再発明されたUrban Legendドーナッツ
●甘いが低カロリー:ヘルシーに改良された朝食
●イノベーション、集中、長期計画がフルーツのパイオニアに成功をもたらす
●「信頼できるが退屈な」ナッツカテゴリーを一新する伝統的な加工処理法
●ホットなカテゴリーへの高い期待?
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[今号のハイライト]
Thrive アイスクリームがより良い栄養を提供
アイスクリームが健康食品とみなされることはほとんどないが、Thrive Frozen Nutrition社は、人々が実際に食べる形で医療栄養を提供することを目指している。現在では、嚥下困難者用にも認定され、栄養豊富なデザートをより身近なものにしている。
(会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2025年1月号」日本語要約版より抜粋)
【NNB(New Nutrition Business)】とは
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