こんにちは、GNG武田です。
9月1日日経新聞1面に、代替たんぱく質などを介する企業への世界の投資額が、2年で6割減ったという記事が掲載されていました。
過去数年に渡り、GNGグローバルニュースでは代替たんぱく質に関する最新ニュースを毎週のようにお届けしてきました。一方で、New Nutrition Business(NNB)では、2018年ころから、代替たんぱく質ビジネスに対して厳しい記事を取り上げてきました。プラントベースフードやプロテイン(たんぱく質)のトレンドは堅調ですが、プラントベースプロテインを含む代替たんぱく質が受け入れられないことについては、これまで多くのケーススタディでご紹介した通りです。
今号では、プラントベースプロテインについて、M.ポーターの5フォース分析を行っています。
5フォース分析という古典的な手法ではありますが、もし、この結果を企業の経営陣が見たら、この事業に参入するかどうかは、一目瞭然です。もっとも、5フォース分析は、外部環境の中のミクロ環境分析ですので、10年前と今とではその結果は異なるはずです。ただ、新規参入や代替品の脅威はそれほど大きく変わっていないと思いますが、売り手、買い手についても大きな変化はありません。そうなると、この10年で大きく変わったのは業界内での競争ということになりそうです。
一方で、米国ではフレキシタリアンがこの3年の間に3割以上減少しているようです。これは意識の問題ですが、「肉を減らそう」と思う人が減っているということですね。
プロバイオティクスへの関心は相変わらず高いですが、成功する商品と失敗しやすい商品の傾向についての分析がされています。
ヨーグルト、乳飲料 + プロバイオティクス 〇
フルーツジュース + プロバイオティクス ×
チーズ + プロバイオティクス ×
焼き調理食品 + プロバイオティクス ×
アイスクリーム + プロバイオティクス ×
シリアル + プロバイオティクス ×
日本は若干違う面もありますが、とても参考になるケーススタディです。
武田 猛
この記事について
GNGでは、会員向けに英国発信の食品・栄養・健康分野の業界専門誌【NNBマガジン(New Nutrition Business)】を日本語に要約し、定期的にお届けしています(月1回)。
毎月、最新情報を「定点観測」することで、ブランド戦略、マーケット分析、法規制、新技術に関する世界の動向を素早くつかむことができます。
この記事では、その会員向けマガジンの一部を抜粋してご紹介させていただきます。
■NNB(New Nutrition Business)8月号 トピックス
今回、会員向けにお届けしたNNB日本語要約版のタイトルは以下の通りです:
● 創造力、忍耐、勇気が成功の要素
●植物から乳製品まで、「本物」は消費者に沿った戦略である
●同じで安全なものよりも、目新しく異なるものの方がいい
●Bel社は他社がしたことをしてみたが、他社同様に失敗した
●プラントベースたんぱく質の夢、厳しい現実に打ち砕かれる
●減肉から回帰した米国人
●善玉菌を主流に:すべての人にプロバイオティクスを
●甘味たんぱく質への突破口?
●東欧の伝統的スーパーフードを活用した新興企業
●一口サイズのクッキー生地スナックが急成長
●タンパク質を主成分とするナッツバターは健康食品から嗜好品へと分類されつつある
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[今号のハイライト]
プラントベースたんぱく質の夢、厳しい現実に打ち砕かれる
オーストラリアでは、野心的で資金力のあるプラントベースたんぱく質原料の新興企業が1社、清算に追い込まれた。別の1社は数千万ドルの損失を出している。驚くにはあたらない。プラントベースたんぱく質の原料市場は、コンサルタントや投資家、メディアが予測した神話のような展開にはなっていない。そして、Ingredion社のような実績のある原料大手でさえ、プラントベースたんぱく質事業で利益を上げるのに苦労している。
(会員向けニューズレター「NNBマンスリーレポート2024年8月号」日本語要約版より抜粋)
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